これは百恵さん現役最後の「夜のヒットスタジオ」出演時の様子です。この時、既に「伝説」が始まっていたんだな、とつくづく思います。

引退する歌手一人の為に1時間の番組全体を特番とし、さらに当時の芸能界を代表するスター達が(自分の持ち歌は1曲も歌えないのに)こんなにも集まるなんて、これ以前もこの後も実現していません。

歌手の方達もみなさんプロですから、自分の持ち歌を歌ってナンボの世界なのに。何と、途中から当時のトップスターであるジュリー(沢田研二)までが駆け付けています。ジュリーは老舗のナベプロの看板、そして百恵は振興のホリプロの看板でした(今もジュリーの真のライバルは百恵だったと思っています、笑)。

若い人達は信じられないかも知れませんが、この「夜のヒットスタジオ」は1時間の生放送の歌番組で、この番組に出られるだけでも「プロ」として認められた「証し」となるような人気番組でした。

何人もの先輩方や同じ年頃の歌手、そしてライバルまで。忙しい仕事の中、自分の引退番組に参加してくれた方達への感謝から、百恵さんは芸能人としてやってはいけない事をしてしまいます。それは、「カメラにお尻を向ける」事です。生放送の本番中ですが、感極まった百恵さんは後で声援してくれる方達の方を向いて頭を下げてしまうのです・・・。

百恵さんは前日夜の2時間半もの「武道館ラスト・コンサート」直後なのに、よく声も出ていますね。プロだから当たり前なのか?、でも武道館の前日まで全国4カ所でのコンサートも行っていたのに凄いですね!。

この時の「夜ヒット」での歌唱も「武道館」に負けていません。「ロックンロール・ウィドウ」なんて、もうすぐ引退して翌月には結婚して家庭に入る女性とは、とても思えないくらいに「シャウト」しています!。

百恵さんはやはり歌詞の世界を「歌い上げる」事のできる歌手だと思うので、百恵さんの歌唱シーンには歌詞をテロップで入れてみました。百恵さん最後の歌唱を(実際にはまだ他局での特番がありましたが)その歌詞の世界とともにお聴き下さい。

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