防災科研では、地震発生直後に、リアルタイムで被害推定を行い、その情報を発信するシステムを開発し、社会実装に向けた実証実験を開始した。本システムでは、地震が発生したときに、日本全国に配置された地震計から、観測データをいち早く収集して面的な地表の揺れを推定し、これを基にして、建物や人的な被害を推定する。これらの被害推定情報はパソコンやスマートフォンで見ることができ、また、加工して防災情報として活用できるように、デジタル値としても出力される。実証実験では、様々な企業や自治体の各ユーザーが、リアルタイム地震被害推定情報を受信し、それぞれの視点から防災分野での活用を考え、実践する。情報活用の試行や実践の中で得られた情報の評価や、抽出されたニーズや要望、問題点や課題を踏まえ、様々な分野での利活用が進むように、被害の推定方法や情報の配信方法などのシステムの改良や高度化に役立てる。既に、一部の民間企業では、このリアルタイム地震被害推定情報の活用に向けた取り組みが始まっており、様々な業界で、その企業の特徴に合わせた具体的な利活用が進められている。
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