金本位制, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=52504 / CC BY SA 3.0

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金本位制

金本位制(きんほんいせい、)とは、一国の貨幣価値(交換価値)を金に裏付けられた形で金額を表すものであり、商品の価格も金の価値を標準として表示される。この場合、その国の通貨は一定量の金の重さで表すことができ、これを法定金平価という 。大不況 (1873年-1896年) 期に採用が進み、20世紀には国際決済銀行とブレトンウッズ体制の礎となった。

狭義では、その国の貨幣制度の根幹を成す基準を金と定め、その基礎となる貨幣、すなわち本位貨幣を金貨とし、これに自由鋳造、自由融解を認め、無制限通用力を与えた制度である。これは特に金貨本位制という。つまり、金そのものを貨幣として実際に流通させる事である。実際には、流通に足りる金貨が常備できない、高額になりがちな金貨は持ち運びが不便、使用により磨耗するなどの理由により、金貨を流通させられない場合が多い。そこで、中央銀行が金地金との交換を保証された兌換紙幣(だかん-)および、本位金貨に対する補助貨幣を流通させる事により、貨幣価値を金に裏付けさせる事が行われた。これを金地金本位制(きんじがね-)という。

一般には、金貨本位制と金地金本位制を含めて金本位制という。さらに、自国で金本位制を実施出来ない場合でも、これを行っている他国の通貨と自国通貨との一定の交換性が保証されている場合には、為替を通じて間接的に金との兌換が行われていると考えて金為替本位制(きんかわせ-)と呼ぶ。広義では、この金為替本位制も金本位制に含める。しかし、金為替本位制は第二次世界大戦後のブレトン・ウッズ体制を別として植民地政府で実施された例が多く、この場合本国の都合で現地の金融活動は多くの点で犠牲を強いられた。

金本位制は金鉱豊かなロシアでの採用が早く、法形式ではイギリスのものが早い。金本位制のグローバル化は大不況期に進むが、それはそのときに工業が発展したからである。特筆すべき例は次のようなものである。アルミニウムの精製に必要だったナトリウムが、ホール・エルー法により無用のものとなった。カストナー・アルミニウム株式会社は、そこでシアン化ナトリウムを製造した。この会社は自社製造で飽き足らずに、ドイツ金銀分離工業所デグサへもナトリウムを供給した。このようなシアン化ナトリウムは、金鉱石をシアン化法で処理するのに使われた。

金本位制には、国際収支を均衡させる効果があると考えられている。複数の国が存在していて、それらの国が金本位制を採用している場合、流通している通貨が異なっても事実上「金」が世界共通の通貨であることになる。

例えば、経常収支の均衡しているある国がある。

このプロセスにおいて、金利上昇時に国外からの資本流入が起きると、設備投資は減少せず、経常収支も均衡しない。経常収支と資本収支の合算が均衡している限り国内の金は増減せず国際収支は均衡する。

逆のプロセスとして不景気に陥った際も金の流入がプラスになれば景気が回復する。

一方、輸出入だけに着目した説明もある。こちらは初学者でも分かりやすい。

例えば、国内の物価が上がれば輸出減・輸入増となる。輸入超過分は最終的に自国の正貨で支払う。正貨が減ると通貨の発行額も減り、不況となって物価が下がる。この下落によって輸出増・輸入減となる。こうして正貨は回収される。

金本位制というのは、固定相場制の一種としてとらえることができる。各国がいったん自国通貨と金との交換比率を決定すると金平価も自動的に決定され、各国通貨当局は金平価を維持させるために、国内の金融政策が追随する形をとる。

金本位制はほかのドルペッグ制などとは違った固定相場制としての特質を持っている。それは金流出国と金流入国との間の金融政策の非対称性である。例えば、自国において金流出が起こったとする、その国では民間の兌換請求によって金を買い戻していることになるから、必然的に自国通貨のマネーサプライの減少をもたらし、均衡に至る。しかし、金流入国においては金流入によって民間より金を買い入れて、マネーサプライの拡大をすることになるが、当該国がマネーサプライの拡大を嫌った場合、他の資産を民間に売却することによって自国通貨供給の拡大を阻止するという操作が可能であり、このような金不胎化政策はかならず他の国に金融引き締めを強いることになるため、金本位制というのは本質的に強い引き締め圧力を持ち、拘束性を持つ政策レジームである。

ジョン・メイナード・ケインズは192…

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