いまだ、わからないことも多い新型コロナ「オミクロン株」。風邪と似ているとの意見もあるこの新しい変異株を私たちはどう受け止めていけば良いのでしょうか。
勢いを増し続けるオミクロン株。
<街の人>「このまま感染が止まらなくて、濃厚接触者がどんどん増えてきて、職場とかでもみんな出て出勤停止とかになって大変になっちゃうのかな」「まだまだ続きそうな感じしますよね。これからどういう風になっていくんですかね」「まあ…多いなとしか。ライブに行ったんですけど、みんな普通に声とか出してたので」
長引くコロナ禍で、いま台頭してきているのが「オミクロン株はただの風邪」という意見です。この認識は正しいのか?専門家は次のように話します。
<静岡市立静岡病院 岩井一也感染管理室長>「症状から言って風邪と言えると思います。今までも冬の時期に『インフルエンザ今年は多いね』っていうインフルエンザでなくっても、職場でみんな風邪引いてダウンしたなんてなることあったと思うんですけど、それとさほど変わらないかなと思うんですね」
今も新型コロナ患者を診察している静岡市立病院の岩井医師は、もはや風邪と「言える」との見解を示しました。
<静岡市立静岡病院 岩井一也感染管理室長>「私が診察した患者さん何人かの症状は、鼻水が出る、のどが痛い、咳が出る、熱が出る、頭が痛いとか節々が痛いとか、そういう症状が多くて。上気道炎症状って言うんですけど、この上気道炎症候群を一般には風邪と呼んでいます」
一般的な風邪とインフルエンザ、そして新型コロナの特徴を比較してみます。個人差があるのは事実ですが、健康な人がかかった場合、おおむねオミクロン株の症状は風邪に近いものだと複数の専門家が指摘します。しかし、これはあくまで健康な人のケース。新型コロナによるリスクは排除されていないとの意見も。
<浜松医療センター 矢野邦夫感染症管理特別顧問>「基礎疾患の多い方は重症化する可能性があるので、もう一歩軽症化しないと風邪とは言い切れないかなと思います。基礎疾患のある方、高齢者の方、心臓だとか肝臓だとか肺だとか、腎臓、そういった基礎疾患を複数持ってる方は重症化していくので、まだ風邪とは言えないんじゃないかなと思います」
矢野医師が指摘するのは、基礎疾患のある人が抱えるリスクです。無症状や軽症の人から基礎疾患のある人にオミクロン株が感染した場合、重症化する危険性があり、感染予防はまだまだ欠かせないというのです。一方、岩井医師が指摘するのは「社会的な副作用」だといいます。
<静岡市立静岡病院 岩井一也感染管理室長>「病気そのものが怖いんじゃなくて、自分が感染してしまうと職場の人に迷惑をかける、自分が仕事が出来なくなる、職場がまわらなくなる、そういったことを恐れてるんじゃないかなと思います。今のコロナ対策で大事な人間のつながりって凄く阻害されていると思うんですよ。それはコロナ対策には有効かもしれないけれど、トータルの健康っていう意味で考え直す必要があると思います。デルタ株からオミクロン株になって、重症化のリスクが格段に下がったわけなので、今までのやり方で続けていくというところにそもそも無理があるんだと思います。(制度みたいなところから見直していく?)そう思います。はい」
これから先、新型コロナとどのような距離感で付き合っていくのか。オミクロン株の出現によって私たちは、対策の根本を見直す節目を迎えたのかもしれません。
#おれんじ #オレンジ6 1月21日放送
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