Yotaro HATAMURA

政府の「東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会の委員長に就任した畑村洋太郎・東京大学名誉教授・工学院大学教授が記者会見し、事故調査の進め方や基本的な考え方を話した。

≪「(ヒアリングする人が)もし隠していたことがあとでわかると、その人の名誉にかかわる。それぞれの人には誇りがある。きっと嘘はつけない」≫

畑村さんは、「何をやればいいのか見当がつかないが、だれかがやらなきゃいけない。引き受けないのは無責任な気がして委員長を引き受けた」と切り出した。世の中でこわいのは津波と原子力だった、と述べ、原子力発電について「狭いところに大きなエネルギーをため、人間が制御して使うことがこわい。非常にこわいが扱わざるを得ない」と説明した。事故調査・検証委員会の進め方について、6月7日の第一回委員会で話した次の8項目をくわしく話した。①畑村の考えで進める②子孫のことを考え100年後の評価に耐えられるものにする③国民が持っている疑問に答える④世界の人々が持っている疑問に答える⑤責任追及は目的としない⑥起こった事象そのものを正しくとらえる⑦起こった事象の背景を把握する⑧再現実験と動態保存が必要である。
強制力がない委員会の調査で嘘をつかれないか、という質問に「隠したり嘘をつけば、矛盾が出てくる。時系列の進行を正確にとらえていけば、嘘はつけない」「政治家にも誇りがあるから、評価に耐えるようやってくれるだろう」と答えた。また「知りたいときに知りたいことがわかる、という文化を日本にも作らなければならない。それがないから、日本中が自信をなくしている。事故調査委員会も事故から1週間から10日ぐらいで発足しているべきだった」と述べた。
毎月1回開く委員会は公開し、英語の同時通訳をつける意向を示した。

司会 日本記者クラブ企画委員 神志名泰裕(NHK)

畑村創造工学研究所のホームページ
http://www.sozogaku.com/hatamura/index.php

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