ことし8月、愛知県常滑市で開かれた野外音楽フェス。提供自粛を要請されていた酒類が、平然と販売されるなど、緊急事態宣言の限界が浮き彫りになりました。
今年8月、JNNのヘリは、愛知県常滑市で開かれた野外音楽フェスの会場へ向かっていました。
「ステージ前は密になっています」
(CBC 荘司和也カメラマン)
客同士が密の状態に。愛知県によりますと、チケットはおよそ8000枚販売・配布されたということです。
このイベントは、日本最大級をうたうヒップホップ系の野外音楽フェス「NAMIMONOGATARI2021」。
愛知県内に緊急事態宣言が出ている中で行われた上…
「ハイボールとレモンサワーという文字が書かれています。お酒を販売していますね」
(CBC 長谷川琢也記者)
県から提供自粛を要請されていた酒類が、平然と販売されていたのです。
また入手した会場の図面には、さまざまな種類の酒の銘柄が。
海上では酒を飲んで騒ぐ人たちの姿が多く見られました。
しかし、このフェスの実態をJNNが最初に報じると主催者は、公式サイトで謝罪し、酒類の提供についてはこのように説明しました。
「過度の飲酒にならないよう、お1人様2杯までとし、アルコールはチケットで販売し、杯数の管理をしていました」
しかし会場内で働いていたスタッフからはこんな証言が。
「現金払ったらもっとお酒飲めた」
「Q1人2杯の制限は?」
「言っているだけでお金払ったら飲めた」
(野外フェスのスタッフ)
その結果、クラスターが発生。全国の6都道府県で、客ら45人が新型コロナに感染しました。愛知県の担当者は開催前、主催者側に対し…
「酒類の提供についてはやめてもらうよう、強く要請するメールを送りました」
(愛知県 国際展示場室 鈴木太郎担当課長)
「酒類の提供自粛」を再三要請したといいますが、守られませんでした。
県の聞き取りに対し、主催者側は、「半分はキャンセルしたが、半分は買い取りだったので売らざるを得なかった」と釈明したということです。
緊急事態宣言下で、県が民間事業者にできるのは「要請」のみで、強制力はありません。11月大村知事は。
「強制力がある指示が出せるような法制度の整備をお願いしたい」
(愛知・大村秀章知事 11月)
緊急事態宣言の限界を浮き彫りにし、音楽事業者らに大きなマイナスイメージを与えた今回の野外フェス。その反省を踏まえ、現在、音楽イベントと感染対策の両立に向けた実証実験が各地で行われています。
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