まさにレジェンドです。74歳にしてボクシングのトレーナーを続ける女性がいます。その波乱万丈の人生とは。
埼玉県川口市のボクシングジム。ここで働く女性がいます。高築正子さん(74)。
なんと現役で活躍するトレーナーでもあります。
高築正子さん:「止めてごらん、分かる?(パンチ)がなっていないからこっちに行く」
74歳とは思えないバイタリティ。
高築正子さん:「ここに来ている子たちは、素直で良い子ですよ。素直が一番大事」
毎日腹筋50回。若者たちのトレーナーを続けるため体力づくりを欠かしません。
プロボクサー:「若いころはすごかったんだろうなと思います」
実は高築さんは、公式記録こそないものの、“日本人女性初”のプロボクサーとして知られています。
小学生の時にテレビで見てボクサーを志しました。
高築正子さん:「家の周りに大木があって、そこに丸太を下げて、ジーパンを巻いて打っていました」
しかし高校を中退して、ボクシングジムの門をたたいたものの、すべて断られました。
それでも、諦め切れなかった高築さんは、住み込みで雑用係から始めさせてもらったといいます。
高築正子さん:「うれしかったです。家の近くだし。もう(親に)反対されない」
そして20代後半に転機が訪れました。
高築正子さん:「アメリカのカリフォルニア州で女性ボクサーが認められた」「会長に『私もやりたい』と言った」
こうして高築さんは単身渡米。“日本人女性初”のプロライセンスを取得し、リングで戦い続けました。
高築正子さん:「『絶対、最後まで闘ってやる』そういう気持ちだけでやっていました」
世界ランク5位まで上り詰め、通算12勝2敗1分け、35歳で引退しました。
高築さんがこのジムに来たのは、65歳の時。会長は戸惑ったといいますが・・・。
スパイダー根本ボクシングジム・根本重光会長:「熱意だよね。熱意に負けて」「彼女は病気一つしないんですよ」
引退後はトレーナーとして後進の育成に努め続け、日本女子チャンピオンも誕生させました。
3カ月通う親子:「(息子は)今まで運動は好きではない感じだったんですけど、ボクシングだけは自分でやってみたいと」
高築正子さん:「好きになってくれたら一番うれしいです。ボクシングを」
この日、後楽園ホールで試合が行われました。
教え子の成長を見守るのが高築さんの喜びです。
“日本人女性初”のプロボクサー・高築さん。74歳“レジェンド”の情熱は衰えることを知りません。
高築正子さん:「特技・趣味が皆ボクシングなんです。なるべく長く続けたいです。動けると思っているので」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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