シリーズ「現場から、」です。静岡県熱海市で起きた土石流災害から4か月。地元出身の元アイドルが、復興に向けたボランティアに奮闘しています。「自分の最大の武器で熱海に貢献したい」。温かい街を取り戻す取り組みです。
熱海市役所にやってきた大きなトラック。
島田晴香さん
「台車ないと無理ですよね」
男性の中に混じって家電を運ぶ1人の女性・熱海出身の島田晴香さん 28歳です。
島田晴香さん
「石巻には何度かAKBの時に、行かせていただいて」
宮城・石巻市在住 食器を寄付した女性
「岩手の沿岸部にも来ていただいて、地元の住民の励みになった」
島田さんは2009年から8年間、アイドルグループ・AKB48のメンバーとして活動していました。
被災者が仮設住宅などで新しい暮らしを始める中、この日はボランティア団体と協力して、食器や掃除機など430点を市に寄付しました。
島田さんは現在、アイドルのセカンドキャリアを支援する会社の代表を務めながら、実家である老舗旅館の若女将としても働いています。新型コロナと土石流災害で旅館も大きな打撃を受ける中、島田さんは8月にインターネットでの募金活動を始めました。
旅館立花 島田晴香さん
「私の最大の武器を使って、何か熱海にできることは何だろうということをずっと問いかけていて、全国に(AKBの)仲間がいるから、仲間の力を借りたいなと思って」
土石流災害を目の当たりにしたことで、「自分を育ててくれた熱海市に恩返しがしたい」、その気持ちが強く芽生えたといいます。仲間たちのSNSによる拡散も追い風に、目標金額の100万円を大幅に上回り、AKB48時代のファンをはじめ全国から多くの応援メッセージも届きました。
島田晴香さん
「(当時は)水をここまで届けに行くのに、湯河原のほうまで回って来てようやくたどり着いた。1時間くらいかかったのかな。普段だと15分~20分で着くところが」
あの日から4か月が経ち、伊豆山の街並みは少しずつ変化しています。
旅館立花 島田晴香さん
「住民の方も、住んでいた場所に戻りたいという気持ちもあると思うので、住んでいた方々のためにも、何かできることをやっていきたいなと思っています」
壊れた住宅の片付けや支援物資の配布、島田さんは今後もボランティア活動を続けていきたいと話します。
旅館立花 島田晴香さん
「元アイドル、女の子ということもあり、『あまり重い荷物を持たせられないよ』とか、『大丈夫?泥なんて』と心配されるんですけど、熱海育ちなので、全然、泥んこも大丈夫ですし、重い荷物も大丈夫なので、熱海が少しでも一歩進めるような環境になるのであれば、何でもやります精神で、これからも熱海に携わっていきたいなと思っています」
(10日11:43)
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