「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」は3日、名古屋市で、藤井聡太三冠と永瀬拓矢王座の準決勝が行われています。午前中には「こども大会」も開かれました。このこども大会、対局中の2人にとっても思い出深い大会だといいます。

 将棋日本シリーズ JTプロ公式戦準決勝に合わせて、3日午前から開催された「テーブルマークこども大会」。会場に集まった小学生が優勝をめざして熱戦を繰り広げました。

 どの対局を見ても、子どもたちの表情は真剣そのもの。勝負が決まると、礼儀正しくお互い一礼します。

 会場には、藤井聡太三冠の師匠、杉本昌隆八段の姿もありました。

 「テーブルマーク子ども大会は、子どもたちにとって日頃の鍛錬の結果を出す大きなイベントですね。(藤井三冠が)小学2年で準優勝、3年生で優勝していたのを思い出します。藤井斌が3年生で優勝した時に、私が賞状を渡したのを覚えている」(杉本昌隆八段)

 将棋日本シリーズ準決勝に挑むのは、地元愛知の藤井聡太三冠と、永瀬拓矢王座です。

 「こども大会」は2人にも思い出があるそうで…。

 「印象に残っているのは東京大会で高学年の時に、1度決勝に出場することができて、そこで和服を着たのが貴重な経験です」(永瀬王座)

 決勝に進むと、プロ棋士のように袴姿で対局できるのが、子どもたちにとって憧れのようです。

 もちろん、藤井三冠も袴姿で対局した経験が。

 「(小学)2年生と3年生の時に決勝まで進むことができて、羽織袴で対局したのはとても良い思い出。そういった経験がプロを目指す一つのきっかけだったと思う」(藤井三冠)

棋士仲間として仲よしのふたり

 また、永瀬王座、こんな思い出も…。

 「(こども大会は)負けても指せて、消しゴムがもらえる。すごく嬉しい特典。決勝まで進んだ時にもらった消しゴムは今でも家にある。藤井三冠は『使った』と言っていたが、自分は貴重なモノだと思って…」(永瀬王座)

 ちなみに、その消しゴムは、今年の大会でももらえます。

 普段は、棋士仲間として仲よしのふたり。対局以外では、研究会で腕を磨き合っているそうです。

 「将棋のことはもちろん、普段聞けないことを聞いている。たわいもないが食べ物を食べる順番など、見習えるところは見習いたいと思うので。ショートケーキのイチゴを食べる順番を教わったりする。藤井三冠は末っ子なので、お兄さんに食べられるので『先に食べる』というニュアンスだったような…」(永瀬王座)

 「今でもインターネットで(永瀬王座に)教えてもらっている。永瀬王座は序盤のアイデアや引き出しが豊富な方なので、自分がそれに対応できるかどうかがポイントになるかなと考えています」(藤井三冠)

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