全国19の都道府県に出されていた“緊急事態宣言”と8県の“まん延防止等重点措置”が、今月30日で解除されることが正式に決まりました。

政府案を了承した政府分科会の尾身会長は、こう述べました。
政府分科会・尾身会長:「今回は、今までの制限を解除しますが、これは段階的に、慎重に、いっぺんに急にすべてのガードを下げるということではなくて、慎重に段階的にやって頂きたいと。ほぼ全員がかなり強く強調していた。国も自治体も、我々専門家も、ワンボイスで発信して頂くことが重要だと。それがコンセンサス(合意)で会議は終わりました」

全面解除されますが、完全にコロナ前の生活に戻るわけではなく、自粛要請は、各知事の判断となります。

28日の全国の新型コロナウイルスの新規感染者は1722人。2日連続で、2000人を下回っています。1桁となっている県も18あり、依然、各地で減少傾向は続いています。

東京都の28日の新たな感染者は248人。先週火曜日と、ほぼ変わりませんでした。
小池知事:「近隣の3県ともワンボイスで連携しながら、感染リスクの高い繁華街などの夜間人流に留意しつつ、実効性のある対策を段階的に実施をしてまいります。認証済み店の店舗は、営業時間は午前5時~午後9時まで。お酒の提供を可能としますが、1グループ・1テーブル4人までのご利用。午前11時~午後8時までの酒類の提供とさせて頂きます」

都は、感染防止対策を徹底していると認証した飲食店に限り、酒の提供を認めるとしました。この要請の期間は、来月1日~24日までとしています。

渋谷で戦後から続く『のんべい横丁』にある居酒屋は、この2カ月半、休業していましたが、28日から再開の準備を始めました。
渋谷のんべい横丁『まぐろ処』店主・高橋範男さん:「本当に複雑ですね。できる喜びはありますけど、やっていいのかなっていう。渋谷ですから、駅降りて、店に来る時の“人の出”を見ていると、全く減っている気がしていないので、横丁がどうこうの前に、解除しちゃってどうなのかなという心配もありますし、解除してもらわないと商売できないから、本当に複雑な気持ち」

新規感染者が76人だった千葉県では、店舗によって、制限を全面的に解除します。
熊谷知事:「本県独自の厳しい認証基準を満たした“千葉県飲食店感染防止対策認証事業”認証店に対する営業時間の短縮および、酒類提供の停止の要請は解除します。認証店が現在40店舗で、申請が200件ほど出ている」

飲食店への自粛要請は、大阪府や福岡県など他の自治体でも、感染防止対策の認証を受けた飲食店には、営業時間の条件付きで酒の提供を認め、受けていない店舗には提供を認めないとしています。

宣言解除の影響は、こんな業種にも出ています。埼玉県蕨市のおしぼり業者では、27日から注文の電話が鳴りやまないといいます。取引先は、都内の飲食店が中心。一時期、出荷本数が一日4万本まで落ち込みましたが、ようやく7万本程度まで回復しました。コロナの影響で、3本あるラインのうち1本を止め、スリッパの洗濯など、他の業務を行っていましたが、フル稼働できるようになってきました。
東京すずらん・池ノ谷幸枝総務部長:「仕事をしたくてもできない状況も踏まえて、働けることの感謝も添えて、おしぼりを作っていきたい」

観光業界も期待をふくらませています。そのなかでも、学校の遠足や修学旅行が中止や延期になり、大きな影響を受けている施設はなおさらです。栃木県那須町にあるテーマパークでは、アルパカやヤギなど、動物と触れ合えるため、コロナ前は例年、60校ほどが修学旅行で訪れていましたが、今月は、遠足も含めゼロでした。しかし、宣言解除が決まり、来月は予約が入り始めています。
那須高原りんどう湖ファミリー牧場・矢澤剛志社長:「うれしい気持ちはもちろんあるが、引き続き安全対策を強化し、たくさんの客に来てほしい」

地元のホテルも毎年、県外から多くの学校が修学旅行で訪れていました。
ホテルエピナール那須・佐藤加奈子さん:「当初、9月も3000人近く予約を頂戴していたが、9月は栃木県も緊急事態宣言が出てしまった。結果的には、修学旅行はすべて延期・中止となった」

来月は、今のところ20校・2500人の予約が入っています。食事の会場は、人数制限やアクリル板を設置するなどして、感染防止対策を行っています。
ホテルエピナール那須・佐藤加奈子さん:「10月に来て頂ける学校の皆さんに会えるのが楽しみ」

自治体によっては、来月から学校の活動も緩和されます。通常登校に戻し、感染防止対策を徹底したうえで、部活動なども再開されます。

街の声です。

20代大学生:「バイトとかができないので、早く稼げるようになりたいです」
20代大学生:「解除されたことで、ちょっとは気軽に出掛けることができるのかな」
30代インストラクター:「純粋には、お酒飲みに行ける場所が増えるのはうれしいんですけど、でもやっぱり、そこで人が集まるから、そこは避けたいので(飲めるように)なったとしても、多分行かない思います。おうちでゆっくり」
20代学生:「今まで自粛期間中ずっと、授業とかもオンラインでやってた。もうちょっと対面授業も増えて、大学で授業受けられるならいいなと」
20代学生:「あんまり解除しない方がいいかなとは思いますね。(元の生活に)戻りたいけど、何とも言えない状況ですかね。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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