自民党総裁選挙は投開票まであと2日。日本が向き合う高齢化。なかでも年金制度をめぐっては、この総裁選の、争点の一つとなっています。一石を投じたのは、この発言です。
河野行革担当大臣:「最低保障の年金部分というのは、構造的に税金でやらざるを得ないのではないかと思います」
河野氏が唱える年金制度の改革案。柱は“最低保障年金”です。
現在の年金制度は、20歳から59歳までのすべての人が加入する国民年金と、会社員などが加入する厚生年金の“2階建て”でできています。基礎年金とも呼ばれる1階部分は、月々の保険料と、税金で成り立っています。河野氏の主張は、この1階部分をすべて税金で賄うべきだというものです。河野氏は、消費税で、この財源を賄おうとしています。
河野行革担当大臣:「今の基礎年金は保険料で運営をしていますが、保険料を払えないぐらい所得の低い人は、今、免除ができる。しかし、免除されれば、その分は税金分しかもらえないから2分の1(に減る)。ただでさえ少ない基礎年金がどんどん減ります」
これに対して、岸田前政調会長はこう述べました。
岸田前政調会長:「たしか民主党(政権)の時、7万円の最低保障年金の議論があって、我々ずいぶん攻撃しました。たしか8%消費税を上げなきゃいけない。これは実現不可能だと言ってきました。ですから、税でやるとした場合に、実際に何%上がるのか。私は、今の厚生年金の制度をできるだけ広げる形で、多くの人たちを取り込んでいく。こういった方式を考えています」
高市前総務大臣も、河野氏の案に否定的な考えです。
高市前総務大臣:「どこで線を引くのか、非常に難しい問題があるのと、国民負担が増えていくと思います。この年金制度の仕組みそのものについて、大きなひずみが出てしまうのではないか。現在、政府内で厚生年金や国民年金、共済など、それらをトータルで考えながら、年金のあり方、負担のあり方を見直そうと考えていると聞いている」
この討論会で、年金について発言する機会のなかった野田幹事長代行は、別のタウンミーティングで、こう述べています。
野田幹事長代行:「年金制度を揺るがしているのは、少子高齢化・少子化。現役世代が支えることが前提なのに、残念ながらこの30年ぐらい、人口減少・少子化ということを真剣に議論してこなかった自民党のツケだと思います。“担い手を増やそう”ということを、政策として1丁目1番地にしていくことが、本来の年金制度の不安解消につながると信じています」
混戦のまま最終盤を迎えた、自民党総裁選。29日の開票では、上位2人による決選投票が確実な情勢となりました。国会議員票では、まだ態度を明らかにしていない議員が1割以上いますが、岸田氏が3割超、河野氏が3割弱、高市氏が2割の支持を固めています。野田氏は、推薦人の20人から広がりを見せていません。党員票では、河野氏が約5割を獲得したとみられますが、どの候補者も過半数には届きません。
こうしたなか、各陣営は決選投票を見越した戦略に軸足を移しています。1回目の投票で仮に河野氏がトップ、岸田氏が2位につけた場合、決選投票では、高市氏の陣営のほとんどが岸田氏を支持するとの見方が強く、岸田氏が逆転する公算が高まっています。
総裁選の後には衆議院選挙が迫っています。立憲民主党は、衆院選に向けての経済政策を発表しました。目玉は、大々的な減税です。具体的には、年収1000万円以下の人の所得税を当面、実質免除することや、消費税の時限的な5%への減税などを盛り込みました。
立憲民主党・枝野代表:「(Q.所得税免除や消費税減税の財源は?)こんなもの国債に決まっているじゃないですか。
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