アフガニスタンは1973年まで、王制を敷いていました。

1969年4月9日、アフガニスタンのモハメッド・ザヒル・シャー国王とホマイラ王妃が東京・羽田空港に到着しました。
天皇陛下、皇太子殿下、常陸宮さまら皇族、そして佐藤栄作総理らが出迎えました。
国賓としての来日で、国王は自衛隊による栄誉礼に臨みます。
その後、国王夫妻は、天皇皇后両陛下とともに皇居に向かい歓迎を受けました。
15日まで6日間の日本訪問です。

翌日の10日午前、東京・港区白金台にあった当時の迎賓館、現在の庭園美術館です。
滞在中の国王を、佐藤栄作総理と木村俊夫官房長官が表敬訪問しました。
会談の席上で佐藤総理は経済協力を約束しました。

当時は東西冷戦、ベトナム戦争の真っただ中、国際情勢などについておよそ1時間20分懇談し、国王はアフガニスタンが中立の方針を貫いていることを説明したということです。

国王の来日を機に、日本とアフガニスタンとの間に文化協定が締結されるなど、両国の関係は深まります。

14日夕方には、ホマイラ王妃を浩宮さまがご訪問。
握手後のほおずりに、少しびっくりされたご様子ですが、花束を手渡します。
ホマイラ王妃は9歳の浩宮さまがかわいくて仕方がないようで、小さな肩に優しく手をかけます。
花束は美智子妃殿下から贈られたものです。
手をつないで一緒にソファに腰をおろすと、王妃は美智子さまからの手紙を開封しました。

2年後の1971年、今度は日本から皇太子殿下と美智子妃殿下がアフガニスタンを訪問されます。
ご夫妻は5月27日、東宮御所で記者に抱負などを話されました。
美智子さまは浩宮さまが迎賓館に招かれたことに触れ「非常に親しみを感じています」と話され、
皇太子さまはかねてから西域(さいいき)の歴史に関心が深く、「“文明の十字路”と言われるアフガニスタン訪問で、両国の親善が深まるようにしたい」と述べられたということです。

6月3日夜、羽田空港の特別貴賓室です。
皇太子ご夫妻がアフガニスタンの親善訪問に出発されます。
佐藤総理が見送りの挨拶、美智子さまにバラの花束を贈ったのは、マームード駐日臨時代理大使夫妻とその娘です。
石田和外最高裁長官、船田中衆院議長、朝田静夫日航社長らが見送ります。
あいにくの雨の中、傘をさしてタラップを上った皇太子ご夫妻が手を振ります。

12日の午後、10日間のアフガニスタン訪問の旅を終えた皇太子ご夫妻が羽田空港に帰国されました。
出発の時と同じように、傘をさしてタラップを降りられます。
特別貴賓室で皇族らの出迎えを受けたお二人は「滞在中、皇帝陛下をはじめ国民のあたたかい歓迎を受け、感謝にたえません」「古来、東西世界のほぼ中央に位(くらい)するこの国に流れ込んだいろいろな文化を目の当たりにして強い印象を受けました」というお言葉を発表されました。

日本の皇室とも交流があったアフガニスタン王室ですが、1973年、ザヒル・シャー国王はイタリア滞在中にクーデターで追放され、
ホマイラ王妃とともに亡命を余儀なくされました。

ソ連の侵攻、タリバンの台頭と、連合国軍によるその政権崩壊を経て、ザヒル・シャー元国王は2002年4月に、29年ぶりにアフガニスタンへの帰国を果たします。
ホマイラ元王妃は帰国の直前にイタリアで亡くなりました。

元国王は、2007年7月23日、首都カブールで亡くなりました。93歳でした。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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