富士山の麓でごくまれに現れ、幻の湖と呼ばれる「赤池」。科学の力で明らかになったその「正体」は定説を覆すものでした。

 富士山の麓、山梨県富士河口湖町でごくまれに現れる幻の湖とも呼ばれる赤池。富士五湖の1つで、1キロ離れた精進湖の水位が大雨で上がると現れるため、地下でつながっていると考えられていました。

 ところが、従来の説を覆す研究結果が発表されました。

 山梨県富士山科学研究所などが去年7月、9年ぶりに現れた赤池の水を採取。分析した結果、精進湖の水とは成分が明らかに違うこと、深い地下は通らずに直前の雨でできたものであることが分かったといいます。

 山梨県富士山科学研究所・山本真也研究員:「精進湖の湖水が湧き上がって赤池ができていたというようなメカニズムではない・・・」

 この発表に地元の人は・・・。

 地元の人:「幻の湖だと思ってましたので、地下でつながっていると思ってましたからちょっと残念です」

 地元で飲食店を営む男性は、この発表をなかなか受け入れることができないようです。

 地元で飲食店を営む男性:「水が違うというのは俺は信じられません。精進湖の水が上がらなければ、増えなければ、あそこはできないんだから。だから(地下で)つながっていることは間違いない」

 これまで過去40年間で7回しか出現していない赤池。

 2011年に出現した時にはひと目見ようと観光客が殺到。地元の人にとって赤池は大事な観光資源の1つです。

 富士河口湖町観光課・清水勝也課長:「情報をお知りになった方々がお見えになるっていう形のなかで、一つの観光資源とは考えている。地下っていう部分の調査はまだされてませんよね。そういう意味ではまだ神秘性は残っているのかなっていう部分は考えている」

 山梨県富士山科学研究所は今後も赤池の調査を継続するとしています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

WACOCA: People, Life, Style.