女優・小松菜奈にとって、映画「ムーンライト・シャドウ」への主演は運命が引き寄せたと形容するほか説明がつかない巡り合わせと言えるのではないだろうか。原作は、吉本ばなな氏による1988年のデビュー作「キッチン」(新潮社刊)に収録の同名短編小説。実に33年という年月を経て映画化が実現し、世に放たれようとしている。小松と恋人役で共演した宮沢氷魚はいま、何を思っているのだろうか。そして自らの内なる声に従ったとき、ふたりからどのような言葉が浮上してくるだろうか――。(取材・文/大塚史貴、写真/間庭裕基)

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