菅総理は1日、“9月解散”の観測を否定しました。

菅総理:「(Q.今はもう解散しないということでいいのか?)今の状況ではできないということです。(Q.任期満了までやり続けるということでいいか?)まず『新型コロナ対策』最優先ですから。そういったことを考えた時、そんな状況にはない。ここは明快に申し上げております。(Q.任期満了までに解散の選択肢はある?)任期満了という、いつのことですか?(Q.衆議院としての10月)そこまでですか。総裁選挙をやるわけでありますから、総裁選挙の先送りも考えてませんし、そういうなかで(衆院選の)日程は決まってくるだろうと思います」

先月31日に浮上していたのは、このようなシナリオです。

今月6日に、二階幹事長を含めた党役員人事と小幅な内閣改造を実施。総裁選を先送りするため、解散・総選挙に打って出るというものでした。

しかし、このシナリオには、強い反発がありました。

中谷元防衛大臣:「総裁選の日程はもう決まっていて、勝手な個人の都合とかで変更すれば、自民党の信頼を失ってしまうのではないか」

自民党中堅議員(菅氏支持):「総裁選回避のために解散ってあり得るか?敵前逃亡の烙印(らくいん)を押されるよ」

さらに、菅総理の後ろ盾の安倍前総理も「党内の反発を抑えることができない」として、解散すべきでないと伝えたといいます。

ジャーナリストの後藤謙次さんは、背景に菅政権特有の事情があるといいます。

ジャーナリスト・後藤謙次氏:「今回の解散戦略が、二階幹事長と菅総理の間で進められた。二階さんを快く思っていなかった安倍前総理、麻生副総理が、この路線に異論を唱えた。二階サイドに言わせると『安倍さんたちに引っかき回された』と言う幹部もいるんですね。菅政権は安倍・麻生・二階という、3人の実力者のパワーバランスの上に成立している政権。3者の意見が食い違うことになって、菅さん自身は恐らく思考停止状態になった。この混乱を一度鎮めるためには、自分自身の口で世の中に発言しなければならないと。そういう動機が背景にあったと思う」

こうした背景から飛び出したのが、菅総理の強い発言だったといいます。

ジャーナリスト・後藤謙次氏:「任期満了まで2カ月を切った今の段階で、この発言が出てくることは、事実上、解散権の放棄と等しい発言。一方で、二階さんたちは、解散権を行使しない衆院選は迫力がないという考えは今も変わっていない。両者のせめぎ合いの中に、菅総理は身を置いている状況」

菅総理の発言通りに事が進むなら、総裁選の先送りはなくなります。どんな展開が予想されるのでしょうか。

ジャーナリスト・後藤謙次氏:「これから新聞・テレビの世論調査が始まると思う。この調査で岸田さんが菅総理に大差をつける状況になった時、また次の化学変化が起きてくる。(Q.岸田氏が総裁になる可能性も?)あると思う。相撲で言えば“徳俵”。ちょっと俵が外に出た部分。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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