今週末は「母の日」。「母の日」といえばカーネーションを思い浮かべる方も多いかと思います。しかし、コロナ禍の今年は、そのカーネーションを取り巻く事情が例年と異なるといいます。

 「ただいま母の日ということで、カーネーション販売しています」

 もうすぐ「母の日」。6日からカーネーションの販売を始めたのは・・・牛丼チェーンの「すき家」です。

 「昨年は新型コロナウイルスの影響で販売予定だったお花屋さんのカーネーションが余っているということもあって、支援もかねてカーネーションを販売しておりました」(すき家 広報担当 森みず葵さん)

 去年の緊急事態宣言下に始めたサービス。好評だったため、今年は早めに花を確保し、全国およそ900店舗で販売します。しかし、コロナ禍で花が売れずに余ってしまった去年と、今年のカーネーションを取り巻く事情は大きく異なっていました。

 こちらの農家では・・・
 「ここがカーネーションのハウスです。咲いているのが少ないのが、わかりますか」(裕成園 軽込 晃 代表)

 暖冬で花が早く咲いてしまい、需要が最盛期を迎える母の日直前にもかかわらず収穫量は例年の4分の1ほど。さらに・・・
 「こちらの倉庫ではコロンビアから輸入されてきたカーネーションが集まるのですが、今年は例年の5分の1しか入荷できていないということです」(記者)

 実は国内で流通するカーネーションの切り花は61%が海外からの輸入品。その多くを占めるコロンビア産の花も減っていました。

 「パンデミックの影響で、せっかく作った花を処分しなければならなかった。今年の母の日向けの定植をするには戸惑いがあったようです」(エターナル 森 靖子 代表)

 最大の要因はコロナです。感染拡大によるイベントの激減で、世界各地からカーネーションのキャンセルが相次ぎ、作付面積を減らしていたのです。加えて、コロンビアではロックダウンも起きたため、作業にも支障が出たといいます。去年の「花あまり」から一転、「花不足」となった今年のカーネーション。苦戦を強いられるのは生花店です。

 「(カーネーションが)品薄になることで価格が高くなる可能性はあると思うが、企業努力で価格を抑えた形で提供するようにしている」(第一園芸 店舗事業部 香取邦枝 部長)

 カーネーションの価格は花不足の結果、去年よりも高騰。それでも、この店では例年通りの価格で販売しなければ売れ残る可能性があるというのです。しかも、大型の商業施設内の別の店舗は、今回の緊急事態宣言で休業しているといいます。

 「10日以上の休業になるので、ほとんど生花はダメになってしまうので、どうしても捨てざるを得ないというのが非常に残念でした」(第一園芸 店舗事業部 香取邦枝 部長)

 母の日のカーネーション。今年も受難が続きます。(06日15:54)

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