海で活動する海女さんにもコロナ禍の影響が及んでいます。アワビの価格が下落し、後継者問題も深刻になっているといいます。

 平野美乃さん(49):「気が付いたらハマってしまって」

 平野美乃さんは生まれ育った千葉県白浜町で海女さんになり、12年になります。

 きっかけは親戚に誘われたことでした。

 海女歴12年・平野美乃さん:「『海に興味があるんだったら、好きだったら海女小屋来てみな』って感じのノリでちょっと行ってみようかなと思っていたら、あれよあれよと」

 海底まで一気に潜り、岩場に潜むアワビを探します。

 と、その時に平野さんがアワビを発見しました。お分かりでしょうか、なんと岩にしか見えない塊がそうなのです。

 アワビが身を硬くする前に一瞬ではがします。これぞ熟練の技。

 実は近年、南房総の海ではある異変が・・・。

 白浜町海女連・渕辺重房会長(77):「アワビが少ない。数が少ない」

 はっきりしたことは分かっていませんが、温暖化などで海の中の環境が変化したと推測されています。

 約2時間、潜り続けた平野さん。この日獲れたアワビは12個。以前は一日100個ほど獲れることもあったといいますが、喜びは変わりません。

 49歳の平野さんは、この地域の海女さんのなかで最年少だといいます。

 海女歴48年・小林道子さん(78):「頼もしいと思う。ありがたいよね、後継者がいないから」

 かつて600人いた海女さんは現在約200人に。さらに、アワビの取引価格はコロナ禍で4分の1に下落・・・。海女さんを取り巻く環境は厳しくなる一方です。

 白浜町海女連・渕辺重房会長:「海にアワビがいっぱいいれば後継者に『海女になって下さい』と頼めるが、なかなか頼める状況じゃないんですよ」

 平野さんは今年、潜水士の資格を取りました。アワビの稚貝をまく活動に参加するためです。

 2人の娘たちも将来は海女さんになりたいと話しているといいます。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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