いま、デルタ株の流行で、子どもたちにも感染が広がっています。

都内にあるクリニックには、毎日のように発熱した子どもたちがやってきます。先月中旬以降、このクリニックで検査した子どもの中から23人の陽性がわかったといいます。
たむら医院・田村剛院長:「7月中旬から、子どもの発熱が最初。そのあとに親にうつる症例が出てきた。間違いなくデルタ株の感染力。問題は、お父さん、お母さんにうつった際、重症化する可能性があること」

実際に親子で感染を経験した母親に話を聞きました。都内に住む女性の夫は単身赴任中で、10歳の長女と2歳の次女と住んでいます。8月上旬に女性と長女のコロナ感染がわかりました。次女は陰性でした。長女は無症状でしたが、女性は家事もできないくらい、強い倦怠感や息切れがあったといいます。
自身と長女が感染・二児の母親:「自分が本当に調子が悪かったときは、子どものことまで、気が回っていないというのが正直なところ。私のスマホと子どものipadで、ビデオ通話で繋がれるので、私が下の部屋で寝ていて、『何かあったら電話してきて』『カメラ越しで確認できるようにしようね』みたいなのは事前に話していた」

気がかりなのは、コロナに感染していない次女のことです。
自身と長女が感染・二児の母親:「常に2人ペアでべったりくっついてるので、隔離は絶対無理かなと。これで症状が出てこないことを祈るのみという感じだった。上の子が下の子におやつを食べさせたりすることもあるし、親と子の隔離よりも、子ども同士の隔離の方がもっと難しい」
母子ともに、23日までに療養期間を終えたといいます。

しかし、感染した子どもが入院となれば、家族と離れて一人で過ごさなければなりません。神奈川県横須賀市の病院では、小学生の女の子が新型コロナに感染し、入院していました。入院から10日あまり。両親に会えない寂しさや不安は募るばかりです。
うわまち病院副管理者・宮本朋幸小児医療センター長:「小児病棟も例外ではなくて、入院したら親の面会ができないので“オンライン面会”とか、そういうのを利用して、面会の機会を提供しているというのが現在。ストレスや心理的負担もあるから、それを緩和できるような診療と看護を提供する」

女の子は退院。12日ぶりに母親の元へ帰ることができました。
うわまち病院副管理者・宮本朋幸小児医療センター長:「感染が増えれば増えるほど、今度は子どもたちの中での重症が表れてくるのではないか。いま大人の入院調整も難しい状態なので、こういう状態が子どもたちで起こらないとも限らないというのが、いま危惧すること」

感染力の強いデルタ株の流行に伴い、20歳未満の感染者数は、たった1カ月で6倍以上に急増しています。

コロナから子どもを守るためにどうしたらいいのか。各地の学校では、模索しながら夏休み明けの初日を迎えています。緊急事態宣言が出されている茨城県内の中学校では生徒を登校させず、オンラインでの授業を来月10日まで行うことにしました。先週、政府は感染者をすぐに発見するため、幼稚園や小中学校に抗原検査キットを配布する方針を打ち出しました。
守谷中学校・小池義寿校長:「正直なところ、我々、現場のところまで具体的な情報が伝わってきていない。懸念材料として検査キットによって、何かしら生徒の心理的な負担だったり、学校生活でトラブルの引き金になってしまうようなことは避けるべき。命と健康は何事にも代えがたい。何がベストなのか。これは大事に、慎重に判断し、決断しなければならない」

“夏休み延長”を決めた自治体もあります。東京都調布市は26日までだった夏休みを、来月5日まで延長すると決めました。新学期スタートのわずか4日前の決断です。調布市では、すでに12歳~18歳までのワクチン接種が始まっています。39.1パーセントが1回目を終えたといいます。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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