
2月6日、ムンバイにあるインド準備銀行本店で撮影。 REUTERS/Francis Mascarenhas
[ムンバイ 8日 ロイター] – インド準備銀行(中央銀行)は8日、主要政策金利のレポ金利を5.25%に据え置いた。イラン戦争による経済への影響がより明確になるのを待つ構えだ。
マルホトラ総裁は政策決定の発表に際し、中東危機により成長とインフレへのリスクが高まる中、金融政策委員会は「状況の変化と成長・インフレ見通しの推移を慎重に見極めることが賢明」と判断したと説明した。金利据え置きは全会一致で決定した。金融政策スタンスも「中立」に維持した。
3月23─26日に行われたロイター調査では、エコノミスト71人のうち69人が据え置きを予想していた。
マルホトラ総裁は、前回の政策会合以降、地政学的な不確実性が高まったと指摘。インフレは抑制されているものの、上振れリスクが高まっており、原油価格上昇による二次的な影響の可能性が先行きを不透明にしていると語った。
総裁は会見で、2月に示した長期の低金利見通しが現在も有効かとの質問に対し、「短中期的に低金利が継続する可能性は十分にある」と述べた。
高頻度指標はインド経済がなお堅調であることを示唆しているが、原油価格の上昇やガスなどの主要投入財の不足が、この勢いに影響を与える可能性があるとし、「当初の供給ショックは、サプライチェーンの復旧が遅れれば、中期的には需要ショックに転じる可能性がある」と述べた。
8日のアジア市場では、トランプ米大統領がイランとの間で2週間の停戦に合意したことを受けて、原油価格は急落したが、数カ月前の水準よりは依然として大幅に高い水準にある。
シンガポールのDBS銀行のシニアエコノミスト、ラディカ・ラオ氏は「金融政策委の政策見通しは、『穏やかなインフレ・力強い成長』シナリオから、より『慎重なバランス調整』へと移行した」と指摘。中銀は利上げが現実的な選択肢となる前に、供給ショックの二次的影響が顕在化するかどうかを見極めるとの見方を示した。
<成長鈍化、インフレは加速>
中銀は、今会計年度(2026/27年度)に関する初の経済見通しを発表。国内総生産(GDP)伸び率は6.9%で、前年度の予測値7.6%から低下すると見込んだ。
インフレ率は平均4.6%と、中銀の目標範囲である2─6%内に収まると予想した。データが入手可能な25/26年度の最初の11カ月間における平均インフレ率1.95%と比べて、大幅に加速することになる。
中銀はまたコアインフレ率の予測を初めて公表、今年度は4.4%と見込んだ。これらの見通しは、原油価格を1バレル=85ドルと想定して算出されている。
中銀は別途公表した金融政策報告で、原油価格がこの水準を10%上回るとインフレ率を50ベーシスポイント(bp)押し上げ、成長率を15bp押し下げる可能性があるとした。
エララ・セキュリティーズ(ムンバイ)のエコノミスト、ガリマ・カプール氏は「中銀の26/27年度成長見通し6.9%は再評価が必要かもしれない。エネルギー輸出量が紛争前の水準に回復するには、タンカー迂回や部分的なインフラ損傷などのため3─6カ月かかる可能性がある」と指摘。「消費者物価指数(CPI)上昇率が持続的に6%を超えインフレ期待が不安定化しない限り、MPCが政策金利を引き上げるとはみていない」と語った。
インドの指標10年物国債利回りは発表後6.92%に小幅上昇、ルピーは92.62ルピーに小幅下落した。
ルピーについて中銀は、経済ファンダメンタルズが堅調にもかかわらず平均以上に下落していると指摘した。25/26年度は11%下落し、10年超ぶりの大幅な下落となった。
総裁は、「ファンダメンタルズが正当化する範囲を超えて(市場の思惑が)自己実現的に通貨変動を増幅させることがないよう、過度な、あるいは混乱を招くボラティリティーを慎重に抑制していく」と述べた。経済ニーズに応えるため銀行システムに十分な流動性を引き続き確保すると改めて表明した。
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