福岡県教育委員会は4月1日、直方市の県立高校で発生したいじめ重大事態に関する調査報告書を公表しました。福岡県立学校では初の公表です。しかし、報告書は学校の不適切な対応などには触れておらず、被害生徒の母親は「誰のための調査なのか」と憤りをあらわにしています。
■被害生徒の母親
「受験番号を見つけたときの、爆発するような喜び。忘れられないですね。」
「弓道をやりたい」という希望を胸に猛勉強をして、3年前に直方市の福岡県立鞍手高校に入学した息子。そのわずか1か月後から、「いじめ」に苦しむようになりました。
学校が設置したいじめの調査委員会の報告書などによりますと、鞍手高校に入学したばかりの被害生徒は、2023年の5月から10月にかけて、同じ弓道部の同級生の1人から、着替え中の下着姿の動画を盗撮されるなどしました。
■被害生徒の母親
「画像に息子の名前を書いて、息子のヌード画像をどうぞと言葉もつけて拡散していました。」
悪質ないじめ。盗撮とSNSでの拡散に気づいた被害生徒が加害生徒ともみ合いになり、「いじめ」が発覚しました。

さらに被害生徒を傷つけたのは、いじめ発覚後の学校側の対応です。
■被害生徒の母親
「学校側から、加害生徒と息子と謝罪会を開こうということになり、一室で対面し、謝罪会が行われました。」
男子生徒の母親によりますと、学校側は被害生徒と加害生徒に、お互いの非を認め合おうと指示し「謝罪会」を開いたといいます。
同級生は「悪ふざけだった」と謝罪。
被害生徒は不本意ながらも「安心して勉強ができる環境になるなら」と、もみ合いになったことを謝罪しました。しかし。

■被害生徒の母親
「加害生徒が教室に戻ったら、写真を拡散したときの再現ごっこをしようと他の生徒に持ちかけて騒いでいたのを見て、息子は絶望し、学校に通うことができなくなりました。」
PTSDの診断を受けた被害生徒。
一方の加害生徒は、福岡県迷惑行為防止条例違反の疑いで書類送検され、おととし6月に家庭裁判所に送られました。そしてことし3月、鞍手高校を卒業しました。
学校側は、被害生徒が受けた行為を「いじめ重大事態」とし、調査委員会を立ち上げ、いじめの実態を調査しました。調査結果が公表されたのは、およそ2年後となる、4月1日となりました。
これまで、調査結果の公表を強く求めてきた被害生徒の母親。「謝罪会」など、いじめ被害者に対する学校側の不適切な対応についても調査し、公表するよう「保護者所見」として、調査委員会に意見を出していました。
しかし、公表された調査報告書に「謝罪会」に関する記載はありませんでした。
FBSは取材を申し込みましたが、学校側は「担当者の不在」などを理由に、これまで取材に応じていません。

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