県産木材の魅力発信と需要拡大を目的とした令和7年度「かがわヒノキ」建築コンクールにおいて、最優秀建築物が決定し、このほど香川県庁で表彰式が開催された。

設計・施工を担った建築士や工務店の取り組みを顕彰するとともに、県産木材を活かした建築の可能性を広く示す機会となった。

同コンクールは、初の取り組みとして「かがわヒノキ」など県産木材の魅力を伝える建築物を対象に募集し、学識経験者や木材産業関係者、行政関係者で構成する審査会が審査を実施。木材利用の工夫や空間表現、地域資源の活用度などの観点から評価がおこなわれた。

住宅部門の最優秀賞には、「かねての家」(施設計・施工:㈲小松秀行建築工房(高松市 小松秀行代表))が選ばれた。真壁構造で表しとなる構造材に天然乾燥材を用い、深みのある木の表情を引き出した点が高く評価された。大きな開口部と深い軒を備えた伝統的な日本住宅の手法を取り入れ、パッシブデザインと木材利用の親和性を高めている点も審査員の注目を集めた。式台や腰壁には先代が残した広葉樹を活用するなど、設計者と製材所との連携による丁寧なものづくりも評価ポイントとなった。

非住宅部門の最優秀賞には、「讃岐おもちゃ美術館」(施主:NPO法人わははネット(高松市 中橋惠美子理事長)、設計:NPO法人芸術と遊び創造協会(東京都 多田千尋理事長)、施工:㈲藤田木工所(高松市 藤田淳司代表))が選出。館内の随所に「かがわヒノキ」を使用し、子どもたちが自然と木に触れ、五感で楽しめる空間づくりが高く評価された。遊び心あふれる木空間が来館者の滞在時間を自然と延ばす点も、評価の決め手となった。

その他、住宅部門では「じいちゃんが植えた木の家」や「林田の家」「知の香る家」、非住宅部門では「百歳書店」や「高篠小学校放課後児童クラブ」など、多様な応募作品が紹介され、県内における木造建築の裾野の広がりを印象づけた。

表彰式は県庁本館知事応接室でおこなわれ、住宅部門の最優秀賞「かねての家」施主の森 真喜雄氏と設計・施行者の小松代表、非住宅部門の最優秀賞には、「讃岐おもちゃ美術館」の施主の中橋理事長と設計の多田理事長、施行を務めた藤田代表等が出席。

池田豊人知事より表彰状が手渡された後、県産木材を活かした建築の魅力や意義について話し合った。

池田知事は「穏やかではあるが『かがわヒノキ』の認知度が広がっているように感じている」と述べ、今後も、こうした優良事例の発信を通じて木づかいの気運を高め、「かがわヒノキ」の需要拡大に繋げたいと意欲を示した。

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