株式会社Berryが開発・製造する乳児向け頭蓋形状矯正ヘルメット「ベビーバンド」が、新たに岡山県および宮城県の医療機関に導入された。両県での導入は今回が初となる。同製品は2022年7月の提供開始以降、導入が全国へ広がっており、2026年3月時点で39都道府県・240施設以上の医療機関に採用されている。国内における同種製品の中では、導入医療機関数が最多(同社調べ)とされる。

導入拡大の背景と医療アクセスの課題

近年、乳児の頭の形状に関する関心は高まりつつある一方で、相談や治療を実施できる医療機関は依然として限られているのが実情である。こうした中、同社は地域による医療格差の解消を目的に導入施設の拡大を進めており、今回の岡山県・宮城県での導入もその一環と位置付けられる。住む地域に関わらず適切な治療を受けられる環境整備が進みつつある。

出典:Berry出典:Berry3D技術と人間工学を活用した医療機器

「ベビーバンド」は、日本国内で開発・製造された頭蓋形状矯正ヘルメットである。月齢の低い時期に2〜6か月間装着することで、効率的かつ精度の高い矯正を可能にする設計となっている。設計には3Dデータ解析や3Dプリント技術が活用されており、個々の頭蓋形状に合わせた最適化が行われる。また、新生児科・小児科・脳神経外科の医師の知見を取り入れながら改良が重ねられており、医療的有効性と安全性の両立が図られている。製品名は「ベビーバンド3」、一般的名称は頭蓋形状矯正ヘルメット。医療機器承認番号は30500BZX00071000である。

出典:Berry出典:Berry

製品サイト(医療従事者向け):https://www.babyband.jp/

医療機器ベンチャーとしての取り組み

株式会社Berryは2021年設立の医療機器ベンチャーであり、「あらゆる人が必要な時に必要な医療を受けられる社会の実現」を掲げる。同社は、3Dプリント技術と3Dデータ解析を活用した製品開発を軸に、医療機器の製造・販売を展開している。現場での知見を蓄積しながら、医療機器業界における課題解決にも取り組んでいる。また、医療機器品質マネジメント規格「ISO 13485:2016」と情報セキュリティ規格「ISO/IEC 27001:2022(ISMS認証)」を取得しており、品質・安全・情報管理の体制整備も進めている。

編集部コメント

乳児向け頭蓋矯正ヘルメットは、3Dプリントと医療の融合が最も分かりやすく実装されている領域の一つである。個別最適化が求められる医療分野において、3DデータとAM技術の相性は極めて高い。一方で、技術そのものよりも課題となるのは「アクセス」である。今回のような地方医療機関への導入拡大は、技術普及のフェーズが次の段階に移行していることを示している。今後は製造技術だけでなく、供給体制や診療ネットワークの構築が競争力の鍵となるだろう。

用語解説

■ 頭蓋形状矯正ヘルメット
乳児の頭の形状のゆがみを矯正するために用いられる医療機器。個々の頭の形に合わせて設計され、一定期間装着することで成長に合わせた形状改善を促す。■ 3Dデータ解析
対象物の形状や構造を3次元データとして取得・分析する技術。医療分野では個別最適化された治療器具の設計などに活用される。■ ISO 13485
医療機器の品質マネジメントシステムに関する国際規格。製品の安全性と品質を確保するための体制構築を求めるもの。医療業界の関連記事

今回のニュースに関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきた記事の中からピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

WACOCA: People, Life, Style.