
三重対佐野日大 三重先発の上田(撮影・西尾就之)
<センバツ高校野球:三重2-0佐野日大>◇23日◇1回戦◇甲子園
三重は、元阪神の麦倉洋一監督(54)率いる佐野日大(栃木)を破り、8年ぶりの春勝利で甲子園春夏通算30勝目を挙げた。
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三重・上田晴優投手(3年)にとって、高校初の公式戦完封まであと1アウトだった。だが9回2死無走者で、古川がマウンドに走ってきた。「完投はしたかったんですけど、したら調子乗っちゃうんで」。高校最長のイニングを4安打4奪三振無四球無失点で投げ抜き、同校甲子園30勝目の勝利投手になった。背番号18の左腕は、笑顔で胸を張った。
1度は遠のいた春。昨秋10月25日の東海大会準決勝・聖隷クリストファー(静岡)戦開始前。刈谷のマウンドで投球練習をしていたとき、非運に見舞われた。足場の整備に気をとられ、捕手の大西からの返球に気づかなかった。「ぼくが見ていなくて」送球が左目の下に当たり、眼窩(がんか)底骨折の大けが。「当たったときは痛くて、何も覚えてなくて」という状態で病院に行き、家族に電話をかけながら泣いた。視力が低下し、練習もできなかった1カ月。「この経験は必ず生きるよ」という家族の励ましが支えだった。
徐々に視力が回復し、練習も再開。「ブルペンで外角と内角の投げ分けをやって制球を磨いてきた」成果が、この日の無四球投球に。「何度も助けてもらった。親友です」と信じてやまない大西が決勝の2点をくれた。聖隷クリストファー戦に緊急登板してくれた古川が9回、2点リードを守った。助け合い支え合い、三重が8年ぶりに春1勝を挙げた。【堀まどか】
▽三重・沖田展男監督(47)「上田はすべてよかった。こんな投球をするとは思いもよらなかった、甲子園の空気にのまれることなく。そういう子なんで、先発を任せられるんです。試合をつくることができる」
▽三重・大西(6回に決勝の2点適時打)「(5回終了後の整備時に)『6回に初回の気持ちで絶対に点取りに行くぞ』って円陣で言ったんで、その中でチャンスで自分に回ってきたので『言ったからには打つしかない』という覚悟というか。ちょっとバットを短く持って打った結果でした」
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