【生成AI事件簿】月250円で5人分の仕事を減らしたEC企業、ベッドで寝たきりのCEOが24時間でサイトを構築した事例も

小林 啓倫

小林 啓倫
経営コンサルタント

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2026.3.23(月)

日本企業は中国の「OpenClaw狂騒曲」をどう捉えるべきか?(筆者がChatGPTで生成)

(小林 啓倫:経営コンサルタント)

 2026年の春、中国のIT業界はひとつの「狂騒曲」に揺れている。震源はOpenClaw、パソコンを自律的に操作し、指示された仕事を人間に代わってこなすAIエージェントだ(関連記事)。その導入が爆発的に広がっているという。

 従来の生成AIチャットボットは「聞かれたことに答える」だけの存在だった。それに対してOpenClawは自分でブラウザを開き、ファイルを作成し、メールを送り、コードを書く。お隣の国では、AIが人間のデスクワークそのものを代行する時代の幕が上がっているわけだ。

 日本にいると、これは遠い国のテクノロジー系ニュースに聞こえるかもしれない。だがその影響は、「中国企業の生産性」「サプライチェーンのセキュリティ」「日本企業のコスト競争力」の3つに直結している。日本のビジネスパーソンも、その影響を無視することはできない。

数字で見る「OpenClaw狂騒曲」

 まずはこのブームの規模感を押さえておきたい。2026年第1四半期、OpenClawの爆発的な普及によって、中国のAIモデル(LLM)の呼び出し量(業界では「トークン消費量」と呼ばれる指標)は、初めて3週間連続で米国を上回った。

 OpenClawでは、エージェントが使用するAIモデルをユーザーが好きに設定できる。中国系のユーザーは中国系のモデルを使用する傾向があるため、中国のAIモデルの呼び出し量が増大したのだ。2月下旬から3月初旬にかけてのピーク時には、週あたり5.20兆トークンという途方もない数字を記録している。

 トークンとは、AIが読み書きするテキストの最小単位だ。これがどのくらいの量か、人間の作業に置き換えてみよう。

 仮にオフィスワーカーが1日8時間、休みなくタイピングし続けたとすると、1日に処理できるのは数万トークン程度となる。つまり1週間で5.20兆トークンとは、そのオフィスワーカー数億人分の作業量を、中国系のAIがこなしたという計算になる。

 AIのAPIルーティングプラットフォーム「OpenRouter」が公開したグローバルのトークン使用量ランキングでは、トップ5のうち4つをMiniMax、DeepSeek、GLM、Kimiといった中国製モデルが独占した。なかでもMiniMaxの「M2.5」モデルは、2月の1カ月間だけで4.55兆トークンを消費している。

 他にもこのブームの過熱ぶりを示す事例を紹介しておこう。

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