北海道を代表する彫刻家・國松明日香の追悼展を、2026年6月6日~9月27日に本郷新記念札幌彫刻美術館で開きます。
ご支援いただいたお金は、主に展示や図録の内容を充実させることに活用し、北海道美術の重要な記録の一ページを刻みます。
國松明日香への哀悼の意を示して心の整理をしたい方や、彫刻・アートプロジェクト・北海道の美術に関心のある方におすすめです。

 
 
▼國松明日香について

國松明日香(撮影:露口啓二)

 

北海道生まれの彫刻家・國松明日香(1947~2025)は、北海道札幌西高等学校を卒業後、東京藝術大学で彫刻を学び、日本を代表する彫刻家の舟越保武や千野茂にも師事しました。

 

作家としてデビューしたばかりの頃は版画を主に制作していましたが、やがて彫刻の制作に立ち返り、1980年代半ばには、洗練された造形感覚に基づく面構成の独自の抽象表現を確立します。

 

鉄やコルテン鋼を材として制作したそれらの彫刻は、モニュメントとして道内各地の公共空間に設置されるようになり、その数は60点を超えています。1989年には札幌厚別公園競技場に設置された《捷》(しょう)が、全国で最も優れた公共彫刻として評価され第4回本郷新賞を受賞しています。また、1990年代には彫刻家集団「CINQ」の一員として、札幌石山緑地のデザイン・造成に携わるなどスケールの大きい仕事もあります。

 

《捷》1988年、札幌厚別公園競技場、第4回本郷新賞受賞作

 

1991年からは札幌市立高等専門学校(現・札幌市立大学)や道都大学などで教鞭をとり、多くの教え子を輩出していきました。

2008年には札幌芸術の森美術館で大規模な個展「國松明日香展―風、水面ふるわし、そよぎゆく光」を開催しています。

 

《THE MILKY WAY #2》2008年、札幌芸術の森美術館での展示(撮影:前澤良彰)

 

國松明日香の特徴として、地域のアートプロジェクトに積極的に関わっていたことが挙げられます。

1986年から北海道白老町の飛生にて廃校になった小学校をアトリエとして活用しており、それがきっかけで人々の輪が出来ていき、現在まで続く「飛生芸術祭」につながります。(現在、長男で彫刻家の国松希根太氏が主宰)

…裏手の山々の空には、巨大な白鳥の羽根を連想させる雲がかかる。夜には、満点の星空が広がり、月のない夜は、天の川が流れる。

 自然の調和に胸を熱くする日々であるが、その感動を彫刻に反映させられるのは、いつの日であろうか。

―(飛生について)國松明日香『第4回北の彫刻展 北海道の作家たち・730日の軌跡』1988年

 

2022年からは札幌で「南区アートプロジェクト」のディレクターに就任し、「南区芸術祭」を開催していました。

 

その温厚な人柄から多くの人に慕われ、数々のアートプロジェクトの中心人物として役割を担った國松明日香でしたが、2025年3月、77歳で急逝しました。

 

▼「追悼 國松明日香展」を本郷新記念札幌彫刻美術館で開催しよう!

 

國松明日香が北海道の文化芸術に与えた影響は計り知れません。その功績を称え、彼の生涯と制作を振り返る展覧会の開催が急務であると本郷新記念札幌彫刻美術館は考えました。当館とのつながりでいうと、本郷新賞の受賞のほか、同賞の審査員、施設運営協議会の委員などを歴任いただいておりました。

 

2008年の札幌芸術の森美術館での個展は1987年以降の作品によって構成されておりましたが、今回の「追悼 國松明日香展」では、初期の版画作品から2009年以降の近作までも含めて展示し、作風の変遷をみせるとともに、モニュメントの設置や、さまざまな文化活動に貢献したことも資料等で示すものとします。会期は2026年6月6日~9月27日の予定です。

 

 

1970年代の版画作品の調査(2026月2月、飛生にて)   

 

 

札幌市内のアトリエでの作品調査(2026年3月)

 

作家の情報をひとまとめにした図録の製作も欠かせません。本展の図録は、出品作品の図版と作品解説文を収録するだけでなく、國松明日香と関わりの深かった20名以上のゲストに文章を執筆いただき、さまざまな角度から國松の人柄や制作姿勢がわかるような記録集を構想しております。それにより、國松明日香の芸術が人々の記憶に留め置かれるだけでなく、北海道の文化芸術全体のあり方が垣間見えるような、大変貴重な資料になると確信しており、北海道外の方々にも関心を持ってもらいたいと考えています。

 

なお、本事業は、長男の国松希根太さんをはじめ、ご遺族の皆様の全面バックアップのもと準備を進めているところです。

 

▼なぜ、クラウドファンディングを行うのか

 

本郷新記念札幌彫刻美術館でクラウドファンディングを行うのは、初の試みです。

より充実した内容の展示と図録を作って多くの人に楽しんでもらうために、事業予算を拡充したいという動機はもちろんあります。

 

しかし、最も大きな動機は、國松明日香があまりにも多くの人々に慕われ、影響を与えていたことがわかってきたことによります。

中には、彼の突然の訃報に心の整理がつかないままでいる人もいるようです。

そういった人々の気持ちの受け皿にもなればという思いから、本プロジェクトを立ち上げました。

 

以上執筆、梅村尚幸(本郷新記念札幌彫刻美術館学芸員)

 

目標金額の使途および実施する内容:展覧会の出品作品数を増やしたり、図録のページ数を増やすなど、内容を充実させることに使用します。

※本プロジェクトは、支援金額が期日までに目標金額に届かなかった場合でも、自己負担するなどして、必ず予定していた規模の実施内容の通り実施致します。

 

▼館長からのメッセージ

 

本郷新記念札幌彫刻美術館館長 吉崎元章

 

本郷新記念札幌彫刻美術館は、札幌の宮の森の閑静な住宅街にある美術館です。

1981年の開館以来45年にわたって、札幌出身の彫刻家・本郷新(1905~1980)の顕彰と、彫刻に親しんでいただくためのさまざまな企画展や事業を展開してきました。

 

小さな美術館ながらも、ここならではの活動を続けてきた当館に対して、國松明日香さんは、いつも温かく見守り、応援してくれていたことが、あのやさしい笑顔とともに今も甦ってきます。

 

あまりにも突然のご逝去でしたので、多くの方々にとりましても、その喪失感は相当なものだと思います。いま私達にできることは、彼の業績をいま一度振り返り、心に強く刻むとともに、その人柄や制作姿勢も含めて、しっかりと後世に伝えていくことではないでしょうか。そのための展覧会と図録の充実にご賛同いただけましたら、ぜひご支援ください。よろしくお願いいたします。

 

 

<天災等により展覧会の開催が難しくなった場合の対応>

プロジェクト成立後、天災等やむを得ない事情により、予定した期間に展覧会が開催できなくなった場合、状況に応じて以下の対応を行います。

①延期して内容は予定通り開催

②延期して開催することもかなわない場合は、返金

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