
3月11日、チリのバルパライソで行われた就任式に出席するカスト大統領。REUTERS/Rodrigo Garrido
[バルパライソ/サンティアゴ 11日 ロイター] – チリのホセアントニオ・カスト氏は11日、議会のある沿岸都市バルパライソで開かれた政権移譲式典で宣誓し、大統領に就任した。治安悪化に危機感を持った有権者がラテンアメリカの一部で広がる保守化の流れを支持し、ここ数十年で最も右寄りの政権が誕生した。
式典にはアルゼンチンのミレイ氏、エクアドルのノボア氏、パラグアイのペニャ氏といった中南米諸国の大統領やスペインのフェリペ国王などが参列した。
カスト氏は自らがかつて2021年の選挙で敗れた左派のボリッチ氏から政権を引き継ぐ。
カスト氏は初の国民向け演説で組織犯罪がまん延し財政基盤が脆弱な現状を指摘。自らの政権をこれらの問題解決を目指す緊急政府と位置付け、「われわれは国を、街を、制度を、そして希望を回復させる。未来は共に築くのだ」と強調した。
同氏は規制緩和、歳出削減、市場優先の政策を通じて成長促進をはかる一方で、移民と犯罪を厳しく取り締まると公約している。チリ経済は上向き局面にあったが、イラン紛争が世界市場を揺るがす状況での政権発足となった。
バルパライソとサンティアゴでは新政権に対する抗議デモが行われ、帝国主義、資本主義、米国、カスト氏に対するシュプレヒコールを上げた後、警察と衝突し放水砲と催涙ガスで解散させられた。
バルパライソ大学の政治アナリスト、ギジェルモ・ホルツマン氏はイラン戦争による経済リスク、この地域における米国の安全保障戦略や中国の影響力について指摘し、「(カスト氏は)ますます困難になる国際的な地政学的状況に対処しなければならないだろう。こうした決断には洗練された外交手腕と中長期的な戦略的視野が求められる」と述べた。
カスト氏はまた分断された議会に直面することになり、迅速に実行すると誓った公約が妨げられる可能性もある。
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