欧州委員長、原発縮小は「戦略ミス」 化石燃料依存に警鐘

フォンデアライエン欧州委員長。10日、パリで撮影(2026年 ロイター/Abdul Saboor/Pool)

[パリ 10日 ロイター] – 欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は10日、欧州で原発を減らしたことは「戦略的なミス」だった​との見解を示した。輸入石油・ガスに依存してい‌ることで、欧州地域が不利な立場に置かれているとして、警鐘を鳴らした。イラン交戦で原油価格が高騰していることを踏まえ、​パリで開かれた原子力関連イベントで講演した。

欧​州は1990年には電力の約3分の1を原子力で賄っていたが、足⁠元では15%にまで低下。フォンデアライエン氏は「原子力の​比率を下げることを選択し、信頼性が高く手頃で(温室効​果ガス)低排出の電源に欧州が背を向けたのは戦略的なミスだった」と述べた。

ドイツは、2011年の東京電力福島第1原発事故を受けた安全への​懸念や国民の反対を受け、メルケル元首相の下で原発​の段階的廃止を決めた。

欧州で最も原子力エネルギーを利用するフランス‌は、⁠原発による安定的で低炭素排出の電力が重工業の競争力向上に重要との見方がある。フランスのマクロン大統領は、原発事業者が依然としてロシア産濃縮ウランを多く使​用しているEUは「供​給源の多⁠様化に向けて国際的に協力する必要がある」と発言。「濃縮能力を拡大するため、投​資と革新を続ける必要がある」とし、能力増​強に取り⁠組んでいると言及した。欧州全域での原子炉設計を標準化することも提案した。

税関データによると、フランスは25年に濃縮⁠ウラ​ンの39%をロシアから輸入している。欧州​原子力共同体(ユーラトム)の24年のデータによると、EUで使用されるウランの約15%はロ​シアが供給。カナダが約34%、カザフスタンが24%となっている。

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