
イスラエルは1日、イランに対し新たな空爆を実施したと発表した。前日には米国とイスラエルによる空爆でイランの最高指導者ハメネイ師と親族、側近らが殺害された。写真は28日、攻撃を受けて黒煙を上げるハメネイ師のテヘランの邸宅。衛星写真。Pleiades Neo (c) Airbus DS提供(2026年 ロイター)
[エルサレム 1日 ロイター] – イスラエルは1日、同国軍がイランの首都テヘラン中心部に広範囲にわたる空爆を開始し、首都上空の制圧を目指していると述べた。前日に米国とともにイランへの攻撃を開始し最高指導者ハメネイ師や軍幹部などが死亡。中東全域の不安定化が懸念されている。
イスラエル軍は、空軍が「テヘランへの道」を開くための攻撃を実施したと述べた。イラン西部と中部の防空システムの大半を破壊したとした。軍報道官は軍需産業の生産拠点を含む多くの標的が依然として残っているとした上で「われわれは必要な限り攻撃を継続する能力と標的を有している」と述べた。
イラン国営メディアは1日、最高指導者ハメネイ師がイスラエルと米国の攻撃で死亡したと伝えた。28日未明に執務室で殺害されたという。師の娘、孫、義理の娘、義理の息子も死亡したとしている。また、イラン軍のムサビ参謀総長も空爆で死亡したと報じられた。
イラン革命防衛隊は、近く米軍基地とイスラエルに対する最大規模の攻撃で再び報復すると表明した。タスニム通信は、イラン空軍がイラク北部のクルド人居住地域と湾岸諸国にある米軍基地を攻撃したと伝えた。
トランプ米大統領は1日、交流サイト(SNS)で、イランが報復攻撃に出た場合、「われわれはこれまでにない力で彼らを攻撃する」と警告した。
専門家らは、ハメネイ師や他のイラン指導者の死は同国に大きな打撃を与えるものの、それが必ずしもイランの聖職者による支配や革命防衛隊による国民への影響力の終焉を意味するわけではないとみている。
イランの国連大使は28日の国連安全保障理事会の緊急会合で、米国とイスラエルの攻撃で民間人の死傷者が数百人に上ると述べた。
国連のグテレス事務総長は、即時の戦闘停止を促し、外交の機会が「無駄にされた」ことを深く遺憾に思うと述べた。
<湾岸諸国にイランが報復攻撃>
イランは、米国とイスラエルの攻撃への報復として湾岸諸国に攻撃を実施した。2月28日夜から3月1日朝にかけてアラブ首長国連邦(UAE)のドバイやカタールの首都ドーハを攻撃し、1日にはUAEオマーンも攻撃した。イランは湾岸地域の米軍基地を標的とするとしていたが、攻撃の対象が広がり、民間インフラが損傷し負傷者が出ている。UAEのアンワル・ガルガシュ大統領顧問は、戦争は湾岸アラブ諸国とのものではないと述べ、イランに「正気に戻る」よう呼びかけた。
<空と海の交通混乱>
イランは2月28日、世界の石油タンカーが利用するの航行を禁止すると発表し、原油価格が急騰するとの見方が強まっている。
国際線航空便は深刻な混乱に陥っている。世界最大の国際ハブ空港であるドバイを含む中東の主要空港は閉鎖もしくは大幅に制限されている。運航情報サイト「フライトアウェア」によると、イラン、イラク、クウェート、イスラエル、バーレーン、UAE、カタールの空域は現在、航空機がほぼ飛んでいないもようだ。
<ハメネイ師死亡、歓迎と抗議>
ハメネイ師死亡の報を受け、首都テヘランや中心都市イスファハンなどでは一部市民が歓迎の声を上げた。
イラクのイスラム教シーア派最高指導者シスタニ師はハメネイ師に哀悼の意を表し、イラン国民に対し、攻撃に直面しても団結を維持するよう求めた。
パキスタンやイラクでは1日、ハメネイ師死亡の報を受けて抗議活動が起きた。パキスタン警察によると9人が死亡した。
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