メルツ独首相が訪中、関係深化で李強首相と一致

 2月25日 中国を訪問中のメルツ独首相(写真)は25日、北京で李強首相と会談した。写真は18日、ドイツ南部トリーアで撮影(2026年 ロイター/Jana Rodenbusch)

[北京 25日 ロイター] – 中国を訪問中のメルツ独首相は25日、北京で首脳会談を行った。対中貿易赤字の拡大を背景に両国関係に暗雲が広がる中、中国との関係再構築を目指す中での会談となった。

李強首相との会談では2国間関係を深化させることで一致、中国との緊密な経済交流を維持・強化する方針を示した。一方で、公正な協力と開かれた対話の必要性を強調した。「(両国の)協力に関して非常に具体的な懸念があり、改善して公正なものにしたい」と述べた。

メルツ氏は会談後、記者団に対し、2020年以降、ドイツの対中貿易赤字は4倍に拡大したとし、これは主に過剰生産能力によるものだと指摘。「こうした状況は健全ではない」とした上で、「われわれはこれに対処しており、貿易赤字を削減する方法を見つけたいと考えている」と述べた。

メルツ氏は、中国によるドイツからの高品質製品の輸入拡大の確約を取り付けた。中国が欧州航空機大手エアバス(AIR.PA), opens new tabに120機を発注したという。

一方、李氏はメルツ氏に対し、中国は自動車や化学製品などの分野のほか、人工知能やバイオ医療などの新興分野でも協力したいと語った。

新華社の速報によると、李氏は「国内に進出している外資系企業の合理的な要求に積極的に対応する」と述べたほか、ドイツからより多くの高品質製品を輸入する意向を示した。また、中国企業に対し、ドイツへの投資を促した。

新華社が報道した共同声明では、今回の訪問は「協力関係の発展に新たな弾みをつけた。双方は率直で開かれた対話を通じてそれぞれの懸念を適切に解決する用意がある」としている。

李氏はトランプ米大統領による貿易戦争を念頭に、「世界最大級の経済大国で重要な影響力を持つ主要国である中国とドイツは協力への信頼を強化し、多国間主義と自由貿易を共同で守り、より公正で公平なグローバルガバナンス体制の構築に努めるべきだ」と訴えた。

メルツ氏の訪中は就任後初めて。フォルクスワーゲン(VOWG.DE), opens new tabやBMW(BMWG.DE), opens new tabなどの大手自動車メーカーを含む30社の幹部らが同行している。

メルツ首相は習主席に経済関係を深めたいと伝えた上で「きょう話し合う課題もあるが、われわれが活動する枠組みは非常に良好であり、過去数十年間非常にうまく協力してきた」と述べた。

習主席はメルツ氏の発言を歓迎、「混乱し複雑な世界だが、中国とドイツは戦略的コミュニケーションを強化し、戦略的な相互信頼を高める必要がある」と語った。

ただ、両首相の会談後に締結された合意文書は対象範囲が狭く、両国経済への影響が限定的な分野にとどまった。

署名された5つの文書は、気候変動とグリーン転換に向けた継続的な取り組み、家畜伝染病予防での協力、鶏肉製品に関するプロトコル、サッカーと卓球のスポーツ交流合意に関するものだった。

これは、先月中国と貿易・投資促進に向けた合意文書をそれぞれ8件、12件締結したカナダや英国と比較すると、見劣りする内容となっている。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

WACOCA: People, Life, Style.