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2018年にAmazon Goが米国に登場して以降しばらくの間、レジ清算不要の店舗がすぐに米国全土にあまねく普及するように感じた。それが8年後の今では、レジ精算不要というユーザーにとって夢のようなソリューションを提供するはずだった店舗が、存続の危機にひんしている。

米サンフランシスコにあったAmazon Goの店舗の1つ。入り口の内側に、レジではなくゲートが見える(出所/Adriana/stock.adobe.com)
米Amazon.com(アマゾン・ドット・コム、以下Amazon)は2026年1月27日、8年の歴史を持つレジ精算不要のコンビニエンスストアチェーン「Amazon Go(アマゾンゴー)」を閉鎖すると発表した。
だが、そのニュースは決して衝撃ではなかった。Amazonは2年近く前、まず米サンフランシスコのすべてのAmazon Go店舗と、同じく米ニューヨークおよび米シアトルの一部店舗を閉鎖しており、24年にも一連の店舗閉鎖を進めていたからだ。
そして今、数店舗から店舗ゼロへと移行することになる。同じ日にAmazonが全社で1万6000人を解雇すると発表したことを考えると、Amazon Goの閉鎖は注釈程度の出来事にすぎなかったと言える。
レジに行列する苦行からの解放
サンフランシスコのオフィスの近くにあるAmazon Goでほぼ200回買い物をした筆者はAmazon Goのファンを自認していた。ただし、店舗ができた当時でさえ、Amazonは自分たちが何を造ったのか理解していないか、既に関心を失ったかのように感じた。
他の地域の店舗は営業が続いていたものの、サンフランシスコの店舗が閉鎖されたときに筆者が書いた記事は、Amazon Goに対する追悼文のような雰囲気を醸していた。
筆者は当時、Amazon Goが今後どうなるにせよ、レジでの精算のために長蛇の列に並ぶ苦行から我々を解放する目標を、改めて新興企業が追求することを期待すると書いた。その記事で触れた企業の1社、米Grabango(グラバンゴー)はその翌年(24年)に廃業した。
報道によると、Amazon Goと同様、買い物客と客が棚から取った商品を追跡するために、多数のAI(人工知能)搭載カメラを用いる技術を店舗に配備する費用と複雑さが廃業の一因だった。
ここで、レジ精算不要のレジなし小売店が完全に死んだわけではないと指摘しておきたい。AmazonはまだAmazon Go店舗を支えた「Just Walk Out(ジャスト・ウオーク・アウト)」技術に取り組んでおり、他の小売企業にシステムを提供しているからだ。
Amazon傘下の高級食品スーパー「Whole Foods Market(ホールフーズ・マーケット)」の一部店舗は、最近アップグレードした「Dash Cart(ダッシュカート)」と呼ばれるスマートショッピングカートの形で同技術の一形態を提供し続けている。
レジなし小売店にまだ取り組んでいる新興企業には、Amazon Goに似た技術が競技場やコンサート会場で広く利用されている米Zippin(ジッピン)や、AI搭載レジのトレーの上に買い物客が商品を置くようにすることによって、店舗全体にカメラを設置する必要性を取り除いた米Mashgin(マシュジン)がある。
筆者が最近、レジ精算不要のショッピングに遭遇した場所は空港で、AmazonとMashginのプラットフォームを使って商品を購入した。買い物の体験は快適だった。だが、ここは正直になろう。従来の形態の空港での小売りを改善するのは難しくない。
インドのスタッフがAmazon Goを支えていた?
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