Boris FXは、ハイエンドDAWソフトウェア「Sequoia」の最新バージョンとなる「Sequoia 2026」をリリースしました。

主な新機能

放送局やマスタリングスタジオなど、絶対的な安定性と精度が求められる現場で長年採用され続けているSequoiaですが、今回のメジャーアップデートでは、映像制作との連携強化や外部コントロールの柔軟性向上など、現代のプロダクションニーズに即した大幅な機能拡張が行われています。

Boris FX Sequoia 2026: Everything New in Four Minutes

新しいビデオエンジンの搭載

ビデオ再生エンジンが根本から刷新され、パフォーマンスが大幅に向上しました。最大4K解像度・60fpsの映像素材であっても、スムーズな再生と応答性の高いスクラブ操作を実現しています。

新しいエンジンは、NVIDIA、AMD、IntelによるGPUアクセラレーションに対応し、AVC、HEVC、AV1、Apple ProResといった最新コーデックをサポートします。また、ビデオ設定も更新され、GPU処理の無効化オプションや、ビデオキャッシュのサイズ変更・無効化が可能になりました。SMPTEフレームレートについても拡張され、最大60Hzまで対応しています。

パフォーマンスと安定性の向上

Sequoia 2026では、プロフェッショナルな環境で求められる「信頼性」を支えるための改善が行われました。

特に、エコノミーエンジンにおける16コアの制限が撤廃され、より多くのプロセッサコアを活用できるようになりました。これにより、スレッド割り当てが最適化され、大規模プロジェクトでの処理能力が向上しています。

OSC (Open Sound Control) リモート対応

新たにOSCプロトコルをサポートし、場所を選ばずにSequoiaを遠隔操作できるようになりました。放送用コンソールやStreamDeckだけでなく、Wi-Fi経由でタブレットやスマートフォンのブラウザ上で動作するカスタムOSCアプリからも制御可能です。

本機能は双方向通信に対応しており、Sequoiaからのフィードバックをコントローラー側で受け取ることもできます。また、内蔵のOSCモニターによりメッセージログを確認できるため、設定やデバッグも容易に行えます。

FXルーティングマトリックス

VSTプラグインの信号ルーティングを完全に制御できる新しい「FX I/O Matrix」が搭載されました。トラックチャンネルとプラグイン入出力を自由にマッピングできるほか、サイドチェーン入力の直接ルーティングも可能です。

サラウンドバス(5.1ch/7.1chなど)において、特定のチャンネル(ステレオペアなど)にのみプラグインを適用し、残りのチャンネルを「Thru(スルー)」オプションで影響を与えずに通過させるといった柔軟な処理が可能になります。また、マトリックスのプリセットは、サラウンド設定ごとに整理されたサブフォルダに保存・管理されます。

Soundlyとの統合

クラウドベースのサウンドライブラリ「Soundly」との統合が実現し、あらゆるサウンドエフェクトデータベースが、Sequoia と連携できるようになりました。

Soundly アプリをインストールすると、Sequoia から File > Open Soundly または(デフォルトでは非表示の)専用ツールバーアイコンを使って Soundly を直接起動できます。Soundly 側では、右下にある Send to… ボタンのメニューから Sequoia を選択し、このボタンをクリックするか S キーを押すことで、ファイルを現在のプロジェクトへインポートできます。

また Sequoia では、オブジェクトを選択した状態で File > Search similar audio in Soundly を実行すると、Soundly データベース内から類似音声を検索できます。

VST3およびオーディオエンジンの改善

VST3 SDKがバージョン3.8.0に更新されました。

互換性のあるプラグインでは「サイレンス・スキッピング(無音部分の処理スキップ)」が有効化され、パフォーマンスが向上します。また、設定画面のプラグインバッファ設定が再構築され、各項目の説明が追加されたことで、最適な設定を選びやすくなりました。

クロスフェードエディタの更新

クロスフェードエディタがノンモーダル化されました。これにより、エディタを開いたままトラックエディタやミキサーなどの他のエリアを操作できるようになり、ワークフローが中断されません。

また、オブジェクトのフェードハンドルを右クリック(またはShift + コンテキストメニューキー)することで、全てのクロスフェードシェイプへ素早くアクセスできるようになりました。メニューを開いたまま矢印キーでシェイプを選択・プレビューできるため、最適なフェードカーブを瞬時に決定できます。

Algorithmix Renovator との連携強化

Algorithmix Renovatorがインストールされている場合、オブジェクトを選択してコンテキストメニューから直接呼び出しが可能になりました(Effects (offline) > Restoration)。

同時再生もサポートされており、Renovator上で編集を行いながら、Sequoiaのプロジェクト再生を止めることなく、文脈の中で編集結果を確認できます。単一のモノラルオブジェクトだけでなく、複数のオブジェクトをまとめて(Sum)処理することも可能です。

ARA2サポートの拡張

Sequoia 2026 では、Melda MTrackAlign や IK ReSing を含む ARA2 サポートがさらに拡張されました。

従来のリアルタイム処理に依存する VST プラグインとは異なり、MTrackAlign と ReSing は、再生していない状態でもオーディオクリップ全体を解析・処理・補正できます。

これにより、ファイルを書き出したり手動で移動したりする必要がなく、より正確な解析・処理・補正が可能になります。

Apple ProResのネイティブサポート

新ビデオエンジンの導入に伴い、ビデオ再生機能においてApple ProResコーデックのネイティブサポートが追加されました。

変換の手間なくProResファイルを直接扱えるようになったことで、ポストプロダクションの効率が格段に向上します。

その他の機能改善

他にも日々のオペレーションにおける安全性や効率を高める、実用的な改善が行われています。

マネージャー画面の改善:オブジェクトマネージャー、トラックマネージャー、ファイルマネージャー、クリップストアに、コンテキストメニュー「Windowsエクスプローラーで開く」と、ピーク値を表示する新しい列が追加されました。

過負荷保護(Auto Mute):クリティカルレベルを超えた際に自動的に出力をミュートし、警告ダイアログを表示します。設定でトリガーレベルの変更や無効化も可能です。

マクロメニューの改善:マクロメニューにおいて、割り当てられているキーボードショートカットが表示されるようになりました。

マウス操作の改善:フェーダー操作のミスを防ぐため、フェーダーキャップ(つまみ)部分でのみドラッグを有効にするオプションが追加されました。

スクロールバーの改善:アレンジャー画面の垂直スクロールバーのダブルクリック挙動が改善され、トラック追加用の空きエリア表示を切り替えるコンテキストメニューが追加されました。

FXルーティング表示:ルーティングダイアログで、選択トラックのチェーンを常に表示するようになりました(リンクボタンで一時的に解除可能)。

オートメーション表示:アクティブなトラックの全てのオートメーションレーンを表示するコマンドが追加されました。

エクスポート機能の改善:「オブジェクトエフェクトを含める」オプションの除外設定が追加されました。これにはオブジェクトのボリュームやフェードも含まれます。

リサンプリングの改善:オフラインリサンプリング時に常にFloat解像度でファイルを作成するオプションが追加されました。また、インポート時のリサンプリングダイアログに設定画面へのショートカットボタンが追加されました。

AUXセンドの連携:AUXセンドのオートメーションカーブを他のトラックへコピー(またはリンクして移動)した際、ターゲットトラックの対応するAUXセンドが自動的に有効化されるようになりました。

マーカーリストのエクスポート:マネージャー画面で表示されている列の順序に従ってCSVエクスポートが行われるようになりました。

Sonoris DDP Player:同梱のDDPプレーヤーがバージョン6にアップデートされました。

価格とシステム要件

Sequoia 2026 は、Microsoft Windows 10 または 11 (64ビット)で利用することができます。

価格は以下の通りです。

月額サブスクリプション$95.00 / 月年間サブスクリプション$49.58 / 月永久ライセンス$1,695.00

Sequoiaに含まれる主な機能・ツール:

最高品質のオーディオ処理、安定性、パフォーマンス

効率的かつ精密なオブジェクトベース編集

ハイブリッドオーディオエンジンと独自のレイテンシー管理

32-bit録音デバイスおよびTrue 32-bitフロート録音のサポート

高度なマスタリングツールとDSP

録音、修復、ミキシング、マスタリング、放送制作における最高品質

同一セッション内での複数プロジェクト編集および録音中の編集機能

サードパーティ製ツール同梱:

CrumplePop Creator VST3 Suite

Acon Digital Acoustica 7 Premium Edition

Celemony Melodyne 5 Essential など

WACOCA: People, Life, Style.