2025年のJ3リーグは栃木シティFCの初優勝で幕を閉じた。関東リーグ1部からJFL、J3そしてJ2へと、3年連続となる優勝(関東1部時代は地域CL)での昇格は、日本サッカー界初の快挙である。
栃木シティの快進撃はどうして生まれたのか。JFLばかりかJ3までも1年で駆け抜けられた理由は何であったのか。何が躍進のエネルギーとなったのか……。監督の今矢直城(45歳)は、激動のシーズンを振り返り、2026年の新シーズンをどう見据えるか。J各カテゴリの百年構想リーグ開幕を前に、そのインタビューを全4回に分けて掲載する。まずはその第1回から。
メディアに言ってきたから、もう優勝しかないぞ
――2025シーズンの振り返りから始めたいのですが、全体としてはどうでしたか。
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「開幕戦で相模原に逆転勝ち(2月15日、2−1)したのが大きかった。JFLでは優勝したけれども、果たしてJ3はどうか。それは公式戦をやってみるしかない。プレシーズンは藤枝に8−0で勝つなど順調でした。ただ公式戦は全然違うという不安があったんですが、意外と通用するのだなと。
でも最後の最後まで楽ではなかったです。ホームのダービーで栃木SCに負けた(7月26日、0−1)ときは、みんなが普通に負けたなと感じた。その後、金沢にもホームで力負け(8月23日、1−2)して、その時期は、優勝はどうかなというのは少しありました」
――開幕当初から昇格や優勝を目標に掲げていた?
「最初の集まりがメディア公開日で『優勝します』と宣言しました。選手にも『さっきメディアに言ってきたから、もう優勝しかないぞ』と話した。
とはいえクラブには現実的な目標、『絶対に残留する、あわよくばプレーオフ』というものでした。でもクラブにも選手にもエネルギーがあるので、優勝と言い切ったほうがいいと思った。『プレーオフを目指す』が目標だと、優勝の可能性もゼロではないけれども、確率が下がるのが嫌だった。
宣言することでコーチ陣も、明確な基準が持てる。雰囲気が緩くなったときにも『それでいいの? 優勝するんじゃないの』と言えるけど、『プレーオフを目指す』だと、そこが少し曖昧になる。言い切ってくれた方がやりやすいとコーチたちも言っていました」
誰が見てもわかるのは順位ですから
――どうすればそんなチームを構築できるかは、ちゃんと考えたのでしょう。

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