ドイツ、欧州同盟国と「核の傘の共有」構想を検討=首相

写真はドイツのメルツ首相。ベルリンで1月29日撮影。REUTERS/Annegret Hilse

[ベルリン 29日 ロイター] – ドイツのメルツ首相は29日、ドイツ国内で独自の核防衛力を持つべきだとの議論が高まる中、欧州諸国が米国との既存の安全保障体制を補完する形で「核の傘の共有」構想について協議を始めていると述べた。

メルツ首相は、トランプ米大統領が従来の同盟関係を揺るがす発言や行動を取るなど、米欧関係に緊張が高まる中で発言した。ただ協議はまだ初期段階にあり、決定は差し迫っていないと強調した。

ドイツは、1990年の東西ドイツ再統一への道を開いたいわゆる「2プラス4条約」、および1969年に署名した核不拡散条約という画期的な国際条約により、独自の核兵器を開発することを現在も禁じられている。

メルツ首相は、これらの条約上の義務は欧州で核兵器を保有する英国やフランスを含むパートナー諸国と共同の解決策を議論することまで妨げるものではないとし、「こうした協議は行われている。米国との核共有の枠組みと矛盾しない」と述べた。

欧州諸国は長年にわたり、防衛面で米国、とりわけその巨大な核戦力に大きく依存してきたが、トランプ政権からの厳しい批判もあり、軍事支出を増やしている。トランプ氏は、北大西洋条約機構(NATO)同盟国であるデンマークからグリーンランドを取得するとの発言や、自身の意に反する国々に関税を課すとの脅しで(後に撤回されたが)欧州同盟国を動揺させてきた。十分な防衛費を支出しない国については、米国は防衛しない可能性があると示唆したこともある。

メルツ首相の発言に呼応する形で、ドイツ連邦議会国防委員会のトーマス・レーベカンプ委員長も「我々にはミサイルや核弾頭はないが、共同の欧州イニシアチブに貢献し得る重要な技術的優位性を持っている」とドイツメディアに語った。

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