玉島だるまは白い顔に少ない線で描く眉毛やひげが特徴。虎製造所によると、全国的に有名な高崎だるま(群馬県)に倣って1950年代に生産が始まった。

 新聞紙を水で溶き、だるまの型に貼り付けて成形。下地となる白色顔料の胡粉(ごふん)を塗った後、胴体を水性塗料で赤などに着色し、顔は下地の白を残したまま眉毛やひげを墨描きする。底には重りとして壁土を入れる。ほとんどが手作業で一つ一つ丁寧に仕上げている。

 サイズ(高さ8~50センチ)や形状、色の異なる約20種類を年間6千個程度作り、市内外の神社や土産店に出荷。うち4割(約2400個)は、入試や就職活動を控えた学生ら約40万人でにぎわう2月恒例のだるま市「三原神明市」(今年は6~8日、JR三原駅北側一帯)で売り出される。価格は千円前後~数万円。

 玉島だるまの工房は10年ほど前に1軒がやめて、虎製造所だけとなった。大勢いた職人も高齢化などで退職し、2024年春から夫婦2人きり。それでも憲彦さんは「だるまを心待ちにしてくれる人がいる。インバウンド(訪日客)向けの注文も増えており、体力が続く限り頑張りたい」と前を向く。
(鈴木省吾)

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