かつて、宮城県南三陸地域の空には「王」が舞っていました。

 
翼を広げると2メートルにもなるその鳥の名は、イヌワシ。

 

私たちにとって、その雄大な飛翔に出会えることは、誇りでした。

 

なぜなら、イヌワシが住んでいるということは、森が豊かであり、
人が自然の恵みをいただきながら、共に生きている証だったからです。

 

しかし、2012年以降、この地域からイヌワシの姿は消えてしまいました。 

 

私たちの暮らしが変わり、山の手入れが届かなくなるにつれ、
彼らは狩場を失い、静かに姿を消していったのです。

 

それはまるで、人と自然の絆が途切れてしまったことを告げるようでした。

 

「もう一度、あの空を取り戻したい」

 

私たちは立ち上がりました。

 

地元の林業家、国有林、自治体、専門家、民間事業者など、多様な方々と連携し、生物多様性に配慮した新しい森づくりを実践。

森林施業だけでなく、ボランティアとともに尾根沿いを切り開くなど、イヌワシが再び暮らせる環境整備を地道に続けてきました。

 

10年間に渡る活動で、生息環境の回復には、一定の成果が見られるようになりました。

 

しかし、南三陸地域に再びイヌワシが定着することはなく、一時的にイヌワシが確認されることすらほとんど無くなってしまいました。これは、国内全体でイヌワシが絶滅の危機にあり、個体数が減少しているためではないかと考えています。

そこで今、私たちは日本初となる壮大な挑戦に踏み出しました。 それは、動物園で生まれたイヌワシを野生へ帰す、「イヌワシ野生復帰プロジェクト」です。

 

これは単に、一種類の鳥を救うための活動ではありません。 イヌワシが舞う空を取り戻すこと。それはすなわち、人と山との繋がりを取り戻し、人が森を手入れすることによりイヌワシを頂点とした豊かな生物多様性を回復することです。失われつつある「人と自然が調和する持続可能な地域」を、私たちの手で未来へ繋ぎ直すことに、ほかなりません。

この挑戦は、日本各地でイヌワシの保全に取り組む方々にとっての希望となり、世界に誇れる「ネイチャーポジティブ*」のモデルになると信じています。

 

かつて私たちが心を震わせたあの風景を、未来を生きる子どもたちに見せてあげたい。 「僕たちのまちにはイヌワシがいるんだ」と、胸を張れる「ふるさと」を残したい。

 

そのための第一歩を、どうかあなたと一緒に踏み出させてください。 
人と自然が再び手を取り合う未来へ。皆様の温かいご支援を、心よりお願い申し上げます。

 

*「ネイチャーポジティブ(Nature Positive)」とは、生物多様性の損失を食い止め、回復軌道に乗せて、豊かにしていくことを意味します(日本語で「自然再興」とも訳されます)。生物多様性条約で2030年までの目標に設定されており、単なる保全だけでなく気候変動対策や資源循環など社会経済活動全体を自然と調和させ、生物多様性とその恵を回復させることを意味しています。

 

 

このプロジェクトは、「南三陸地域イヌワシ生息環境再生プロジェクト協議会」と「公益財団法人日本自然保護協会」、南三陸地域で森林管理を担う「株式会社佐久」が主体となり実施するプロジェクトです。

 

 

目次

南三陸イヌワシ野生復帰プロジェクト

 

壮大なプロジェクトへの挑戦
南三陸イヌワシ野生復帰プロジェクト

 

はじめまして。私たちは、宮城県の南三陸地域で、かつて町の象徴であった「イヌワシ」が再び舞う空を取り戻すために活動している団体です。私たちはこれまで、林業関係者やボランティアの皆さんと共に、イヌワシが暮らすために必要な「開けた山の環境」を再生する活動を、2015年から長年にわたり地道に進めてきました。

南三陸の山々でイヌワシの生息環境再生を進めてきた今、私たちは新たなプロジェクトに挑戦します。 それは、動物園で繁殖したイヌワシを野生に帰すという、日本初の「イヌワシ野生復帰プロジェクト(以下、本プロジェクト)」です。

 

本プロジェクトでは、生息環境再生と野生復帰に取り組みます。この二つは、イヌワシを南三陸地域の空に取り戻すために必要な「両輪」です。

 

餌となるノウサギなどが豊富で、イヌワシが狩りをできる「開けた山の環境」の再生。この「生息環境の再生」という確固たる土台があって初めて、「野生復帰」という挑戦が可能になります。

今回、この日本初の取り組みを進めるため、初めてのクラウドファンディングに挑戦することになりました。少し長くなりますが、私たちのストーリーにお付き合いいただければと思います。

 

この文章を書いている私、会長の鈴木卓也には、忘れられない光景があります。

 

幼い頃から「志津川愛鳥会」に入会し、野山を駆け回っていた私がイヌワシと出会ったのは、11歳の夏でした。海辺から内陸に越える峠の上を悠々と飛ぶ、王者の姿。それは、豊かな自然と人の暮らしが調和していた、ふるさとの風景そのものでした。イヌワシも共に暮らせるふるさとを、私たちは誇りとしてきました。

 

しかし、2012年以降、南三陸地域からイヌワシの姿は消えてしまいました。

 

あのイヌワシが帰ってこられる「ふるさと(環境)」を整え、もう一度その姿を見たい、地元の子供たちに見せてあげたい。その一心で、私たちは活動を続けています。

 

 

 

 

これまでの歩みと主な活動

 

私たちの活動は、2015年2月、有志による生息環境の再生活動からスタートしました。翌2016年11月にプロジェクトが立ち上がり、多くの方々の協力を得て、2021年5月に正式に「協議会」として発足しました。

主な活動は、イヌワシが狩りをしやすい「開けた山の環境」を取り戻すことと、イヌワシを取り巻く環境を知ってもらうための啓発活動です。

 

1. 火防線(かぼうせん)の刈り払い(ボランティア活動) 

 

昔から当地では、山火事の延焼を防ぐために稜線(山の尾根)に無樹林地(火防線)を設ける慣習があり、イヌワシの格好の狩場となっていました。しかし近年は放置されて藪(やぶ)になっていることが多いため、ボランティアの皆さんと一緒に刈り払いを行ってきました。特に2015年からは、パタゴニア日本支社の社員のみなさまやトレイルランナーの方々も整備に加わってくださり、開始から10年後の2025年、稜線約50kmを、通行可能なトレイルとして整備することができました。

 

このプロジェクトは、パタゴニア様制作の短編映画「共生のために走る」にもまとめられています。今後はこのトレイルを活かし、要所要所で定期的に火防線本来の幅を広く刈り払うことで、イヌワシの狩場環境の確保に努めます。

 

 

 

 

 

2. イヌワシの生息環境の再生と資源の循環利用を目的とした森林施業 

 

イヌワシの行動エリアは200平方kmに及ぶこともあるため、一つの自治体や民間団体で生息環境を整えようとしても限界があります。そのため、2018年から国有林と民有林の連携を開始し、2020年からは、林野庁宮城北部森林管理署、登米市、南三陸町、株式会社佐久で、対象面積は4,024ha(民有林816ha、国有林3,208ha)の「南三陸地域森林整備推進協定」を結びました。協定の目的(第2条)には「森林の多面的機能の高度発揮と資源の循環利用及び南三陸地域のイヌワシ生息環境の再生」が明記され、イヌワシの狩場になるような森林の管理を進めています。
参考:協定書

 

 

 

3. イヌワシの現状や活動を知ってもらうための啓発活動 

 

イヌワシを取り巻く現状や私たちの活動を広く発信するためのフォーラムの開催や、南三陸地域の暮らしとイヌワシとの関わりを紹介するための絵本「イヌワシの棲む山」を刊行し、地域の学校等に届ける活動も行っています。

 

 

 

|活動を支える仲間たち
 

私たちの活動は、地域の林業関係者、自然保護団体、企業、行政、そして個人の皆さんまで、非常に多くの方々の専門知識と情熱によって支えられています。
 

<団体会員> ※順不同、敬称略

株式会社佐久、公益財団法人日本自然保護協会、合同会社波伝の森山学校、登米市(産業経済部農林振興課)、パタゴニア日本支社、南三陸森林組合、南三陸町(農林水産課)、南三陸ネイチャーセンター友の会、南三陸ワシタカ研究会、有限会社熊谷産業

 

<個人会員>
若干名 ※ここでは割愛とさせていただきます。

 

<オブザーバー>
環境省東北地方環境事務所、林野庁東北森林管理局計画保全部、林野庁東北森林管理局宮城北部森林管理署、宮城県気仙沼地方振興事務所林業振興部、宮城県東部地方振興事務所林業振興部、石巻市生活環境部環境課、女川町産業振興課、気仙沼市産業部農林課

また、アドバイザーとして、小松守氏(秋田市大森山動物園名誉園長)、山﨑亨氏(アジア猛禽類ネットワーク代表)、由井正敏氏(東北鳥類研究所所長)にご協力を戴いております。

 

 

私たちの目指すこと

 

私たちの目指すこと
人と自然が調和する未来へ

 

私たちの目標は、ただイヌワシが空を舞う姿を取り戻すことだけではありません。イヌワシが生息し続けられる環境、つまり「人と自然が調和する持続可能な地域」を取り戻すことです。

イヌワシが餌を狩るためには、「開けた山の環境」が必要です。かつて人々が薪や炭のために木を切り、山の恵みを利用していた時代には、そうした環境が保たれていました。 しかし、生活様式の変化に伴い「開けた山」は減少。手入れされず光の入らない、鬱蒼とした山が増えてしまいました。自然環境の基盤であり、生態系を育む山の環境は、自然とともに生きてきたこの町の未来に不可欠です。この山の恵みを将来にわたって得続けるため、南三陸の林業家たちは手を取り合い、宮城県で初めて国際的な森林認証制度「FSC®︎認証」を取得*しました。 私たちは地域の林業家と深く連携し、産業として持続可能でありながら、生態系にも配慮された森林管理の形を模索しています。

*「宮城県で初めて国際的な森林認証制度「FSC®︎認証」を取得」に関して

参考:南三陸森林管理協議会のHP / アミタホーディルディングス株式会社のHP 事例紹介

かつての人々の営みが生んだ自然環境を、現代の持続可能な林業を通じて再生させる。それができれば、未来に誇れる、人と自然が共生する地域のモデルとなるはずです。

 

その象徴として、再びイヌワシが南三陸の空を舞う姿を取り戻したい——。

 

なぜなら、あの雄大なイヌワシが空を飛ぶ姿こそ、地元の子どもたちに見せたい未来の風景であり、その心に焼きついた記憶が、郷土への愛着と自然を大事にする心を次世代に繋いでくれると信じているからです。

 

絶滅の危機。このままでは間に合わない。

 

プロジェクトのきっかけ
絶滅の危機。このままでは間に合わない。

 

イヌワシってどんな鳥?

 

イヌワシ(Aquila chrysaetos)は、英語圏では Golden Eagle と呼ばれ、頭の後ろ(首筋)の金色の羽毛から名付けられたと言われています。翼を広げると2メートルにも達し、非常に目が良く、上空を旋回しながらノウサギやヤマドリなどの獲物を見つけ、急降下して捕らえます。

 

古くから「山の王者」として人々に知られてきましたが、彼らが生きていくためには、獲物となる動物が豊富で、かつ、その獲物を見つけやすい「開けた山の環境」が不可欠です。

 

(撮影:小川悟氏)

 

今、イヌワシが危ない

 

日本国内のイヌワシを取り巻く現状は、非常に厳しいものがあります。
日本イヌワシ研究会の調査によると、これまで国内で確認された約300ペアのうち、すでに約100ペアが消失(生息が確認されなくなった)しています。

この危機的状況を受け、イヌワシは、絶滅の恐れのある野生動植物の種の保存に関する法律の「国内希少野生動物植物種」に指定され、環境省の保護増殖事業の対象種になっています。また、絶滅の危機に瀕している野生生物リストの上から2番目に危機度が高いグループ(絶滅危惧ⅠB類)にも指定されており、特に絶滅の危機の高い野生動物の一種です。

 

 

なぜ、イヌワシはいなくなったの?

 

絶滅が危惧されるに至った最大の要因は、イヌワシにとっての「狩場」と「餌」が失われたことです。
かつての日本では、人々が薪炭林として山の木を利用したり、牛馬の放牧を行ったりすることで、適度に開けた山(半自然草地や伐採地)が維持され、そこには多くのノウサギやヤマドリが生息していました。

しかし、長引く林業の不振やエネルギーの変化により、そうした山の手入れが行われなくなり、山全体が木々に覆われ「開けた環境」が著しく減少してしまったのです。

 

 

環境再生だけでは追いつかない、イヌワシの減少

 

さらに、近年の大きな課題はイヌワシの個体数の減少です。日本イヌワシ研究会の調査によると、全国のイヌワシの繁殖成功率は、1980年代には30〜50%ありましたが、2022年の調査では17.4%まで減少しています。イヌワシの一大生息地である岩手県のまとめで2024年はヒナの巣立ちがゼロ(繁殖成功率0%)と報告されており、地域によっては完全に「子どもが生まれない年」も出ています。つまり、全国でペアが減少し続け、生息しているペアの8割以上が子育てに成功していないことから、イヌワシの個体数が減少していると考えられています。

そのため、かつての生息場所に生息できる環境が改善されたとしても、そこに定着する可能性のあるイヌワシ個体が、非常に少なくなっていることが危惧されます。

 

 

回復している南三陸の「狩場」と「餌」環境

 

一方、南三陸では、2015年からの長年の生息環境再生の結果、希望が持てるデータが得られています。

「狩場」は、イヌワシのペアが生息し、毎年のように繁殖成功していた1970年代に比べ、一時は20%にまで減少していた狩場適地が、今では50%以上まで回復しています。そして、今後もさらなる回復が見込まれています。

 


※国有林GIS、森林簿、空中写真から南三陸イヌワシ生息環境再生プロジェクト協議会調べ

 

 

「餌」については、かつてのイヌワシの営巣地である、南三陸の翁倉山周辺で2024年からセンサーカメラによる調査を実施したところ、ノウサギやタヌキ、ヤマドリなどイヌワシの餌となる動物が確認されました。また、イヌワシの最も重要な餌資源であるノウサギについては、個体数の指標となる撮影頻度は、現在イヌワシが生息している他の地域よりも、翁倉山周辺が2倍以上高いことがわかりました。つまり、翁倉山周辺はイヌワシの生息に必要な餌資源が確保されていると言えます。

 

 

しかし、生息環境再生だけでは、イヌワシは戻って来ない——。

 

それが、私たちが直面した厳しい現実でした。

 

 

このままでは間に合わない… 私たちの決意

 

 

私たちの恩師である立花繫信先生は、旧桃生郡河北町出身の鳥類学者で、南三陸地域の翁倉山で、戦後日本で初めてとなるイヌワシの繁殖を確認しました。日本のイヌワシ研究の黎明期における第一人者である立花先生は、晩年、「自分より先に翁倉山のイヌワシがいなくなるとは」と嘆いておられましたが、同時に「このままでは遠からず日本のイヌワシは絶滅する。なにもせずに後悔するくらいなら、いまできることを試した方が良い」ともおっしゃっておられました。

 

そこで私たちは、これまで進めてきた「生息環境再生」に加えて、もう一つの柱が必要だと考えました。

 

それが、動物園に保護されて繁殖しているイヌワシの「野生復帰」プロジェクトです。

しかし、野生復帰の技術開発は一朝一夕でできるものではありません。2023年8月、私たちは協議会内にワーキンググループを設置し、野生復帰の可能性の調査検討を開始しました。

 

そして、南スコットランドでの実践事例から野生復帰の手法を学びました。イヌワシが3ペア程度にまで減少した南スコットランドでは、北スコットランドの野生のイヌワシの雛を、南スコットランドに移送・放鳥し、定着させることに成功しています。2018年から2024年までに雛28羽、若鳥15羽を移送・放鳥し、2025年時点で個体数50羽以上、つがいが約20ペアに増加しています。2025年夏には、2021年に移送・放鳥した雛(雌)が成長して繁殖に成功しています。

この先進事例に基づいて「南三陸イヌワシ野生復帰プロジェクト 実施計画書」を策定し、この計画は、種の保存法の規定に基づく、国(環境省)のイヌワシ保護増殖事業計画に適合している旨の認定を環境大臣から受けることができました。

 

 

全国のイヌワシの未来のために、南三陸地域だからこそできる挑戦

計画の検討を通じて、地域・民間・行政が一体となって活動してきた10年に及ぶ実績があり、野生復帰の条件が比較的整っている南三陸地域だからこそ、国内の先駆けとしてイヌワシの野生復帰に挑戦できることを改めて認識しました。

そして2025年7月、「南三陸イヌワシ野生復帰プロジェクト」を公表しました。

 

まずは、南スコットランドの先進事例を参考に、動物園で繁殖したイヌワシを野生復帰させる技術を日本で確立することを目指して、南三陸地域でのイヌワシの放鳥を実施します。

 

放鳥時には、発信機等でモニタリングを行います。この南三陸での挑戦で得られた野生復帰の技術や知見、これまで知られていなかったイヌワシの分散や生存に関するデータを蓄積し、日本各地のイヌワシ保全へ役立てられるように公表していきます。

 

この挑戦が、日本国内におけるイヌワシの絶滅を回避する、大きな一歩になると信じています。

 

皆さまのご支援と共に推し進める「野生復帰への挑戦」

 

プロジェクトの概要
皆さまのご支援と共に推し進める「野生復帰への挑戦」

 

本プロジェクトでは、2029年までに3回の放鳥を行い、日本における野生復帰手法の確立と、さらなる生息環境の再生に取り組みます。

具体的な手法は以下の通りです。

 

野生復帰の具体的なステップ

 

STEP 1:放鳥する雛(ひな)の確保 

 

まずは、動物園で、イヌワシの絶滅を回避するための保全事業(生息域外保全)として、飼育・繁殖されているイヌワシの雛を譲り受けます。

 

 

STEP 2:野生に近い環境での飼育 

譲り受けた雛は、南三陸の山中に設置する専用の飼育小屋に移動し、育てます。この際、人の姿を見せないようにし、できるだけ野生の獲物に近い餌を与えるなど、雛が「人」に慣れないよう、野生に近い環境で慎重に飼育します。

 

 

STEP 3:放鳥とモニタリング
 

雛が巣立つ時期になったら小屋の扉を開け、雛が自ら飛び立つのを待ちます。 放鳥後は、発信機(GPS)などで行動を追跡(モニタリング)し、自力で狩りができるようになるまで補助的に餌を与えるなど、幼鳥が独り立ちできるようサポートを行います。

 

 

 

営巣環境の整備

 

放鳥したイヌワシが南三陸の地に定着し、将来的にペアとなって繁殖してくれるよう、過去にイヌワシが巣を作っていた場所(営巣地)に人工の巣を設置します。

 

 

 

さらなる生息環境の再生と科学的な検証

 

上記の野生復帰のサイクルと並行し、放鳥したイヌワシが南三陸の地に「住みたい」と思ってくれる環境を整えていきます。

これまでの生息環境の再生(火防線の刈り払い、森林施業)をさらに強化・加速させます。同時に、放鳥したイヌワシの行動や、獲物となるノウサギなどの生息状況を調査し、私たちの取り組みがイヌワシにとって本当に効果的か、科学的に検証しながら進めます。

 


放鳥予定地周辺の刈り払いを実施

 

 

全体計画

 

昨年より行ってきた飼育小屋の建設などのハード面の整備がおおかた整い、いよいよ今年から放鳥・モニタリングを実施します。2026年から1年に1回、最大2羽の放鳥を行い、その後モニタリングするというサイクルを3回実施する計画です。

プロジェクトに必要な資金

 

「南三陸イヌワシ野生復帰プロジェクト」は、2029年まで続く息の長い挑戦です。計画全体では約1億円の資金が必要となる見込みです。

まずは、2026年に予定している「第1回目の放鳥」を実現するため、そしてプロジェクトを軌道に乗せるため、今回のクラウドファンディングで、皆様からのご支援を募らせていただきます。

 

第一目標金額:1,200万円(第1回放鳥の実施費用目安の1/2)
※本プロジェクトはAll or Nothing形式のため、第一目標金額に1円でも満たなかった場合はプロジェクト不成立となり、1円も受け取ることができず支援者様に全額返金となってしまいます。

 

第1回目の放鳥(2羽)を無事に実施するため、以下の費用に充当させていただきます。
 

・雛の飼育・放鳥費用
 雛・幼鳥の餌代(ノウサギ、ヤマドリ等の購入費)
 動物園から南三陸の山中までイヌワシを輸送する費用

・人件費
 飼育・モニタリングスタッフの人件費
 スタッフの研修費
・その他
 クラウドファンディング手数料・リターン準備費用
 広報費用

 

最終必要資金:1億円(2029年までのプロジェクト総費用目安)
・生息環境の再生費用(森林整備、火防線の刈り払い、人工巣の設置・維持管理)
・第2回、第3回目の放鳥費用及び人件費
・調査・研究費用(放鳥個体の追跡、餌動物の生息状況調査など)
・プロジェクト全体の運営費用

 

イヌワシが再び南三陸の空を舞う未来へ、皆様の温かいご支援を心よりお願い申し上げます。

 

|リスクについて

海外の先行事例や、野生における幼鳥の厳しい生存率を鑑みると、放鳥後にイヌワシが落鳥してしまうことも多分に考えられます。加えて、国内初の試みであるため、計画外の予期せぬ課題に直面することもあるでしょう。
しかし、私たちはこの困難な挑戦に立ち向かう覚悟です。万が一の事態や予期せぬ課題が発生した際には、各分野の専門家や関係機関を含むプロジェクトチーム全体で迅速に情報を共有し、科学的根拠に基づき、最善の解決策を見出して対応を進めてまいります。

 

南三陸から、日本全国の未来へ

 

期待される効果
南三陸から、日本全国の未来へ

 

この挑戦は、南三陸地域だけではなく、日本国内のイヌワシの未来に貢献できると考えています。

|1. 日本初の事例となり、知見を全国へ共有します 

 

国内では例のない「イヌワシ野生復帰」の技術やノウハウ(どう育て、どう放鳥し、どう見守るか)を確立することは、それ自体が大きな成果です。 また、放鳥したイヌワシの行動をGPSで追跡することで、「若いイヌワシがどのような環境を好み、どう行動するか」という、これまで国内ではほとんど分かっていなかった貴重なデータが得られます。これらの技術や知見を広く共有することで、日本全体のイヌワシ保全活動に大きく貢献します。

 

|2. 近隣地域のイヌワシ個体群が補強されることが期待されます

 

南三陸のみならず、隣接する岩手県でも、巣立ち雛数が激減していると報告されています。南三陸で野生復帰を果たしたイヌワシが、将来的に北上山地等他の地域へ移動し、繁殖に参加することで、絶滅の危機にあるイヌワシ個体群を補強することが期待されます。

 

|3. 人と自然が共生する「豊かな森」の象徴と「ネイチャーポジティブ」の先進事例となります 

 

イヌワシが再び空を舞う姿は、私たちが進めてきた「イヌワシも共に暮らせる」山の環境づくり、すなわち山の豊かさが回復した証です。自然環境に配慮した林業と、火防線トレイル等の新たな森林の利活用によってイヌワシが帰還することは、地域の自然の豊かさを回復軌道に乗せる、世界的な目標「ネイチャーポジティブ」を体現する、国内の先進的モデルケースとなります。これは、私たちと自然との新しい共生の形を示す、未来への希望の象徴です。

 

小さな町から、世界へ誇れる「共生」のモデルを

 

今後の展望・ビジョン
小さな町から、世界へ誇れる「共生」のモデルを

 

私たちが目指すのは、単にイヌワシを放鳥することだけではありません。 イヌワシが舞う空を共通のビジョンとして、「人と自然が調和する未来」を実現させることこそが、このプロジェクトの最終的なゴールです。

 

 

次世代へつなぐ「誇り」の教育

 

未来を担う子どもたちに、イヌワシがいる郷土の自然に誇りを持ってもらいたい。 そのために、地元の小学校や高校と連携し、出前授業や体験学習を実施していきます。「かつてここにはイヌワシがいたんだよ」という昔話ではなく、「僕たちの町にはイヌワシが生きている。」「イヌワシが生きている自然と、僕たちの暮らしはつながっている。」という現在の誇りと共生感覚を胸に、自然と人間が共に歩んでいける感性を育みます。

 

 

小さな町から示す、世界視点のアンサー

 

南三陸町は、決して大きなまちではありません。しかし、これまでも環境に配慮した国際的な認証(FSC認証・ASC認証)の取得に町ぐるみで取り組むなど、持続可能な社会の実現に向けて世界的な目標に果敢に挑戦してきた経緯があります。「経済か、自然か」という二項対立ではなく、かつての里海・里山がそうだったように、人の営みと豊かな自然が互いに支え合う。 この南三陸という小さな町での挑戦が成功すれば、それは同じような課題を抱える地域にとっての希望となり、世界に誇れる「人と自然の共生事例」となるはずです。

イヌワシが悠々と舞う空を、子どもたちと共に見上げる未来へ。 この大きな挑戦に、どうかあなたのお力をお貸しください。

 

プロジェクトメンバーメッセージ

 

皆さまへ
プロジェクトメンバーメッセージ

 

 

鈴木卓也

南三陸地域イヌワシ生息環境再生プロジェクト協議会 会長

生まれも育ちも南三陸町志津川。小学4年の春に「志津川愛鳥会」に入会して以来、野鳥を隣人として過ごしてきました。イヌワシは人生2回目となる南三陸町入谷での探鳥会の際にスコープの視野にうまく入れられず見逃してしまい、しっかり出会えたのは小学6年の夏、同じく入谷の峠道でしたが、ふるさとの山はイヌワシの棲む山との意識は幼心にもしっかり刻まれ、それがふるさと南三陸への誇りと愛着に繋がっていると思います。そんなふるさとの原風景を、イヌワシが生息できる環境も含めて現代の子どもたち、そして未来の4年生や6年生にも繋げて行きたいと思います。皆さまのご理解とご支援、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

 

佐藤太一

株式会社佐久 代表取締役

私たちは、FSC国際森林認証に基づく森林管理を行うことで生態系サービスを維持・向上をはかりながら、木材生産を行なうことを目的に日々努力しております。

また、生態系サービスの多角的な価値化も目指しており、ネイチャーポジティブの一つの実行モデルを目指しております。このイヌワシ野生復帰プロジェクトは、ネイチャーポジティブ型林業の1つのモデル構築になると考えています。「イヌワシと共存する山づくり」の具現化を目指しますので、多くの方々のご支援・ご協力を何卒お願い致します。

 

出島誠一

公益財団法人日本自然保護協会 特任部長

群馬県みなかみ町の国有林で、人工林の自然林への復元やイヌワシの生息環境再生と持続的な地域づくりを20年以上に渡って推進してきた「赤谷プロジェクト」を担当してきました。その他、四国のツキノワグマの保全、サシバの保全など、絶滅危惧種の保全と持続的な地域づくりに各地で取り組んでいます。

行動範囲が広大で、人の森林利用との関係性が深いイヌワシを保全するためには、多様な方々が連携・協力することが必要です。私たちの新たな挑戦「イヌワシの野生復帰」を進めていくためには、これまで以上に、より多くの方々のご協力が必要です。今回のクラウドファンディングは、そのための仲間づくりだと考えています。ぜひ、南三陸にイヌワシが舞う姿を未来に残すための取り組みにご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。

 

野口 将之

公益財団法人日本自然保護協会

30年以上、建設コンサルタントとしてイヌワシをはじめとする希少猛禽類の調査・研究、アセスメント、保全対策に従事してきました。現在はフリーランスとして活動しています。
イヌワシを知るためには、イヌワシが生息する場所の地形・地質、気象、植物、動物など様々な環境を理解する必要があります。イヌワシはとても勇壮な鳥でその姿だけでもシンボリックですが、地域の自然環境の指標でもあります。

このプロジェクトでは、南三陸町のシンボルであるイヌワシを呼び戻すだけでなく、南三陸町の自然をより深く理解し、人と自然との繋がりの復活と自然の再生を目指します。
また、プロジェクトを積極的に発信することにより、日本国内のイヌワシの保全、ネイチャーポジティブ実現の一助になればとも考えています。
皆さまのご理解・ご支援・ご協力を何卒お願い致します。

 

小松 守

秋田市大森山動物園 名誉園長

今、日本のイヌワシは危機的状況です。環境改善なども進んでいますが、繁殖成功率の低下は改善されていません。私はイヌワシ世界でも少子高齢化が進み、同低下率が加速していることを心配しています。若い個体の増強も重要な保全策で、その一手法として動物園の繁殖個体の野生復帰があります。ただ、国内では未経験ですので、その技術開発のチャレンジも必要です。動物園のイヌワシは野生救護個体から増やしたものです。野生への恩返しも含め、プロジェクトへのご支援をお願いいたします。

 

山﨑 亨

アジア猛禽類ネットワーク会長

滋賀県でイヌワシを初めて確認したのは1976年。長野県の高山地帯にしか生息していないと思っていたイヌワシが山間部の人々に身近な存在であったことに驚きました。その頃、同じように地域の人々が山林資源を持続的に利用している場所で繁殖が確認されていたのが、翁倉山であり、イヌワシは町のシンボルでもありました。しかし、いずれのイヌワシペアも姿を消してしまいました。この主要因は人々が山林資源を利用しなくなったことです。イヌワシの復活には山林資源の価値を再評価することが重要であり、このプロジェクトはイヌワシが舞う活気ある南三陸町の創生そのものだと確信しています。

 

井上 剛彦

東近江市に再びイヌワシを呼び戻すプロジェクト協議会 会長

滋賀の地を中心にイヌワシとクマタカの調査と観察を40年以上続けています。その中で脆い生息の現状を感じ、イヌワシからのSOSになんとか応えたいと活動しています。
精悍な外貌やダイナミックな飛翔と違い、シャイで神経質なイヌワシを野生に戻す日本初の試みです。長年実施を願っていたプロジェクトがこの春、現実のものとなります。
植生環境の整備や餌動物量の確認、動物園や行政の協力そして地元の理解と協力などを得て実施を迎えようとしています。
イヌワシにとっては生息域外と域内保全の初めての協働プロジェクトです。そのためには専任の人員確保や施設の設置と維持管理、餌の確保や個体の観察・追跡体制の確保など多くの経費が必要です。多くの方々の期待と希望を実現するこのプロジェクト、今後の保全の新たな一歩を踏み出すためにご支援・ご協力をお願いします。

 

内藤アンネグレート素

日本学術振興会特別研究員

遺伝解析とデータ分析を主な手法として希少猛禽類を研究しています。この道に進むきっかけとなったのが、今からちょうど7年前に初めてイヌワシを観察した時でした。寒空を優雅に飛翔するペアの姿は脳裏に焼き付いて離れず、その日からイヌワシ保全に微力ながら貢献すべく活動を続けてきました。
研究を進める中で、動物園のイヌワシは遺伝的な多様性が保たれており、放鳥を通じて野外での多様性も維持できることがわかりました。遺伝的多様性は、変わりゆく環境に適応するために不可欠ですが、日本のイヌワシではその程度が他国と比べて低いことが示されています。そのため、今回南三陸で実施する野生復帰は、国内のイヌワシの長期的な存続のために極めて重要な取り組みなのです。100年先もイヌワシが日本の空を舞い続けるために、どうかご支援とご協力をよろしくお願いいたします。

 

いただいた応援のメッセージ

 

応援メッセージ紹介
いただいた応援のメッセージ

クリックするといただいたメッセージに飛びます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●プロジェクトに関するご留意事項

○第一目標達成後のキャンセル・返金のご対応は致しかねますので、何卒ご了承ください。

○本クラウドファンディングは寄付金控除型ではないため、寄付金受領証明書の発行などはございません。予めご了承ください。

○ご支援完了時に「応援コメント」としていただいたメッセージは、本プロジェクトのPRのために利用させていただく場合があります。

○本プロジェクトのリターンのうち、【お名前掲載】に関するリターンの条件詳細については、リンク先(https://legal.readyfor.jp/guidelines/terms_of_service_index/terms_of_service/#appendix)の「支援契約」の中にある「●命名権、メッセージの掲載その他これに類するリターン」をご確認ください。

○プロジェクトページに使用している画像について、Simon Dures氏、秋田市大森山動物園様、パタゴニア日本支社様より使用の許可をいただいております

○お問い合わせはこちらのフォームよりお願いします

 

ーーーーーーーーーーーー
20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています。
酒類販売管理者標識
販売場の名称及び所在地:南三陸ワイナリー株式会社 宮城県本吉郡南三陸町志津川字旭ケ浦7-3
酒類販売管理者の氏名:佐々木 道彦
酒類販売管理者研修受講年月日:2025年5月20日
次回研修の受講期限:2028年5月19日
研修実施団体名:一般社団法人 酒類政策研究所
ーーーーーーーーーーーー

WACOCA: People, Life, Style.