シューティングブレークを思わせる
『キャデラック・リリック』に興味が沸いたのは、昨年10月に『キャデラック北大阪/シボレー北大阪リニューアル』のオープニングに出席した時。そのショールームに、クリスタルホワイト・トライコートのリリックが展示されていた。
メディア向け発表会をスケジュールの関係で欠席したので、実車を見たのはこれが初めて。そこで、まるでシューティングブレークを思わせる伸びやかなラインに感心し、これは一度乗ってみたい! と、数日間お借りすることになった次第だ。
キャデラック初のEV『リリック』に数日間試乗。 山田真人
リリックはキャデラック初のEVとして、2021年4月にアメリカ本国でデビュー。2022年から販売を開始した。日本では昨年3月から、右ハンドルの『リリック・スポーツ』1グレードで発売されている。
ボディサイズは全長4995mm、全幅1985mm、全高1640mm、ホイールベース3085mmと、日本の路上ではなかなかの大きさだが、恐らくアメリカの路上ではちょうどいいサイズ。『電動ラグジュアリーSUV』を名乗るものの、全高はそれほど高くないので、床下のバッテリーがなければ、そのままシューティングブレークになりそうなプロポーションだ。
パワートレインは前後にモーターを1基ずつ搭載するAWDで、フロントが170kW/309Nm、リアが241kW/415Nmというスペック。車重は2650kgで、航続距離はWLTCモードで510kmとなっている。
取材車のボディカラーはアージェントシルバー・メタリックで、ショールームで見たホワイトとステラーブラック・メタリックを合わせた3色での展開。インテリアはオプションのフルレザー、『ジュニパーウィズスカイクールグレーアクセント』となっていた。
アメリカ車と欧州車の中間狙い
プレスリリースによれば、キャデラックとひと目でわかる縦長のLEDヘッドライトや1967年型『エルドラド』のオマージュとなるテールランプが特徴とのことだが、そう言われなくても、リリックはいかにもキャデラックと思わせる佇まいだ。
個人的にキャデラックは、新車当時かなり取材させて頂いた2代目CTSが印象深い。そこにはウォール街で活躍するビジネスマンが似合いそうな、いい意味でギラギラした大人の雰囲気があり、CTSを始め、ATS、STSなどで描かれたエッジの効いたデザインの延長にリリックもある。
床下にバッテリーを搭載し、前後に1基ずつモーターがあるAWDとなる。 ゼネラルモーターズ・ジャパン
また、CTSはアメリカ車ではあるものの、乗り味は足まわりがしっかりした欧州車のイメージもあり、キャデラックはアメリカ車と欧州車の中間を狙っていると感じていた。そして結論から書けば、リリックの狙いも変わっていないようだ。
アメリカ車と言えば、ふわっとした柔らかい乗り心地のイメージが強いが、リリックの出足もそういった感触はありつつ、そこからの力強い加速は引き締まった足まわりに支えられている。足まわり自体は重い車重に対応して硬めではあるものの、不快な感触ではない。
また、EVなのに加速感は大排気量自然吸気エンジンを思わせるから不思議だ。AWD特有のフロントで引っ張りつつリアから押し出す感触もしっかりとあり、スポーツモードではそれが顕著となる。
今回は都内から群馬県への往復ドライブでの試乗となったが、そんな感覚をよく味わえる高速の乗り味は素晴らしいものだった。
アメリカ人の基準で考えた上質さの演出
画像 この手があったか!ドイツ車勢ともレクサスとも違う世界観を持つキャデラック初のEV『リリック』 全85枚

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