2026年1月16日からお届けしている阪神・淡路大震災関連の記事最終回は、神戸市内に残る阪神・淡路大震災のちょっと意外なモニュメントを2つご紹介します。
Sun Sister(サン・シスター) 神戸市中央区
神戸市中央区脇浜町の「HATなぎさ公園」の東端に立つ「Sun Sister」。これ、単に可愛いだけの像ではありません。世界中のすべての災害からの復興と再生を見守るという使命を持ったモニュメントなのです。阪神淡路大震災から20年目の2015年に誕生。
現代美術家 ヤノベケンジ氏の作品で、手にしている太陽は希望の象徴。

様々な苦難の日々を過ごしてきた人達の過去・現在・未来を見守り続ける存在となるようにといった、希望のメッセージが込められています。
この「Sun Sister」が誕生する以前に、東日本大震災、及び福島第一原子力発電所事故からの復興と再生への願いを託した像が2011年に誕生していました。それが、福島市に設置された「Sun Child(サン・チャイルド)」。
この2つの作品が誕生した経緯については、Kenji Yanobe Supporters clubのサイトで詳しく説明されていますので、興味のある方はぜひお読みください。

「HATなぎさ公園」のすぐ隣には、阪神淡路大震災の経験を語り継ぎ、その教訓を未来に生かすことを目的に設けられた防災学習施設「人と防災未来センター」があります。

「人と防災未来センター」は、震災発生の瞬間を再現した映像上映(1.17シアター)や被災者から提供された震災関連資料展示など、1995年に発生した阪神・淡路大震災がどのような災害だったのかを知ることができる施設です。

2021年には東館3階を全面リニューアルし、「BOSAIサイエンスフィールド」がオープン。自分で考え、判断し、行動できる力を身につけることができる体験展示が加わり、年齢を問わず、災害、防災・減災について幅広く学ぶことができる防災学習施設になりました。一度訪れた方も、是非お子さんと一緒にもう一度訪れてほしいなと思います。
イタリア広場(六甲道南公園) 神戸市灘区
JR六甲道駅の南、灘区役所の隣にある「六甲道南公園」に「イタリア広場」と名付けられたスポットがあります。そんな名前が付いていたのか?と初めて知る方もいるかと思いますが、実はこれも震災復興モニュメントなのです。

「イタリア広場」があるのは、灘区役所の西隣、六甲道南公園の南側です。


広場というとだいたい真っ平らなところですが、なんとこの「イタリア広場」はスロープになっています。
スロープは2つあり、真ん中は抜け道のようになっていて木が植えられています。

広場というより、何かのモニュメントかアート作品のオブジェのよう。

上から海側を見下ろすとこんな感じ。

結構高低差がありますね。

一番高いところから山側を望むとJR六甲道駅、その奥に六甲山が見えます。

実はこの「イタリア広場」は、日本と同じく地震が多いイタリアの建築家によってデザインされ、両国の友好の証として、そして震災復興のシンボルとしてイタリア側から無償で提供されたもの。敷き詰められたタイルはイタリア製のセラミックタイルで、サイズは200×200mm角、厚みは16mm。青い空や海をイメージさせる色合いになっています。

神戸市が実施した国際コンペで2名のイタリア人女流建築家、ラウラ・マッシーノ氏とバルバラ・アニョレット氏が最優秀賞を受賞。その依頼を受けたイタリアのアッソピアストレーレ社、エミリア・ロマーニャ州が「イタリア広場」を建築し、神戸市へ寄贈されたという経緯が。ただの広場ではなく、モニュメントやアート作品のように見えるのには、こういう理由があったのですね。
建築家によると「地震のメモリアルとなる広場」として、悲しみから希望へ向かう市民の願いと力を表現したとのこと。

説明プレートには「この広場を1995年阪神・淡路大震災の犠牲者に捧げます。」などと記されています。

この広場を1995年阪神・淡路大震災の犠牲者に捧げます。
設計:ラウラ・マッシーノ建築士、バルバラ・アニョレット建築士
イタリア建築協会、外務省、イタリア文化省建築および現代美術局発起による日本におけるイタリア2001年記念広場国際設計競技優秀者
因みにこの作品の模型は、“自然の叡智”をテーマとし、121カ国4国際機関が参加した愛・地球博(2005年日本国際博覧会)のイタリア館に展示されていました。
愛・地球博の4年前、日伊両政府によるイタリア紹介事業「日本におけるイタリア2001年」開催時から計画されてきたプロジェクトで、2005年9月15日にイタリア館で、2005年9月17日に神戸市灘区のこの場所で除幕式が行われました。その際のプレスリリースはこちらから今でも読むことができます。模型の写真も。

イタリアと日本の友好の証であり、震災復興モニュメントでもある「イタリア広場」。この海側から山側へ緩やかな傾斜が続くスロープは、地盤のうねりを表現。地面は動くものであることを意識させることにより、自然に対する畏敬の念を表わしています。
イタリア広場の様子を動画で!
「イタリア広場」がある「六甲道南公園」は、震災復興市街地再開発事業の一環として2005(平成17)年9月に完成し、災害時の一時避難場所ともなっています。震災時に生活用水としても活用できる井戸やせせらぎ、仮設トイレ用下水施設、地下耐震性防火水槽等も備えられています。
イタリアが好きな方にとっては、この一面に敷き詰められたイタリア製の美しいタイルだけでも一見の価値がありますよ。
イタリアというと、大阪・関西万博でも大人気でしたよね。パビリオン前には連日入館を待つ長蛇の列が。入館を断念したという方も多いのではないでしょうか?
そんな方におすすめの動画を最後にご紹介します。
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