【写真を見る】曇天に雨や雪 太平洋側ではありえない石川の天気が生む工芸の数々 漆芸は温度や湿度に反応して“乾く”からこそ生まれる! 国立工芸館の「工芸と天気展」

曇り、雪、雨、そしてたまに感じられる日差し…

石川の独特の天気は、多くの個性あふれる工芸作品を生み出しでいるのではないかと見る向きもあります。

金沢市の国立工芸館では、天気に関わりのある漆芸作品や陶磁器、加賀友禅などの工芸作品に焦点を当てた展示会「工芸と天気展-石川県ゆかりの作家を中心に-」が開かれています。

■漆が「乾く」ということ 温度や湿度が大きく影響

工芸と天気展には、人間国宝を含め石川県ゆかりの作家36人の工芸作品およそ60点が展示されています。

テーマのひとつが、工芸の技法と天気のかかわりにフォーカスした「天気と生きる、天気とつくる」です。このことを体現している作家の一人が、金沢で生まれ「漆聖(しっせい)」と称された松田権六(1896-1986)です。

《蒔絵鷺文飾箱》などの作品を世に残していますが、松田は漆の乾く概念を深く心にとどめていました。

ただものが乾くだけなら、冬場なら常に晴れている太平洋側のほうに分があります。ところが、漆の場合の「乾く」は、空気中の温度や湿度に反応して固まることをさします。

国立工芸館・特定研究員 日南日和さん「絵の具が乾くというと、水分が蒸発して乾くことを意味すると思うが、漆における乾くというのは空気中の温度や湿度と漆が反応することで固まることを指します。1年中、石川県は湿度が高いと思うが、そういった天気が漆が固まることにとても適していると言えます」

下地から「乾き」に対して細心の注意を払いながら作品を手掛けますが、石川県の気温や湿度だと、より高い芸術性が生み出されるとともに、丈夫さも発揮されるということです。

■松田権六の東京での仕事場を金沢に“そのまま”移築

金沢の国立工芸館には、松田権六が東京・文京区で漆芸作品を作り出した仕事場がそのまま移築されています。部屋は常設で展示されています。

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