連日舌戦が繰り広げられている知事選挙。その引き金となったのが杉本前知事のセクハラ問題で、選挙戦でも重要なテーマとなっています。特別調査委員会の報告書では、県の組織風土の問題も厳しく指摘されています。なぜ自治体のトップによるハラスメントが起きてしまうのか、専門家は構造と法的な問題を指摘しています。

■大正大学 江藤俊昭教授
「ひとたび間違えると独善性になってしまう。そういう構造があるのかな」
地方自治論を研究する専門家は、自治体トップによるハラスメントが起きる背景の一つとして、人事・任命権が集中するなど、構造上の問題を指摘しています。

報告書の中にも、被害女性は「杉本氏の機嫌を損なうと自らの仕事を失うのではないかという社会的・経済的不利益の憂慮を思った」とあります。
■大正大学 江藤俊昭教授
「権限が集中していることと、意見をしっかり言えることは分けていかないといけない話。そこをしっかり変えていくための手法を今回を機にしっかり考えていかないといけない」

また、法的な問題もあります。知事などの特別職には地方公務員法が適用されず、ハラスメント行為を処分することができません。県のハラスメント防止指針でも、特別職はあくまでハラスメントを取り締まる立場で、処分については明記されていません。
専門家は、特別職も対象にした条例の制定や常設の第三者委員会の設置も提案しています。

■大正大学 江藤俊昭教授
「政治倫理のところでいうと、当選後すぐに宣誓書を書くことも必要だと思う。どのような活動をすることが住民のためになるかという行動規範・活動規範を明確にして、そこから逸脱するような動きをした時には何らかの対応を取る」
ところで、県内でもすでに独自の対策を始めている自治体があります。

小浜市では今年度から新たに、職場のハラスメントの相談に応じる専門の職員を配置しました。
■小浜市総務部 高鳥伸也さん
「相談者が悩みを一人で抱え込まず、早い段階で整理しやすくなる。長年、組織を見てきた経験がある職員なので、役職にかかわらず『それはダメだ』と言える職員を配置した」
相談員の松宮さんは、小浜市初の女性総務部長として人事部門を担当した経験もあります。

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