出雲の文化を伝承する手錢美術館
地域の文化財を未来へつなぐご支援を
出雲大社の門前町の一角に佇む手錢美術館。
江戸初期より12代にわたり大社に居を構える手錢家から寄贈された、500点以上の掛軸・屏風・刀剣・茶道具・古文書といった美術工芸品や手錢家に伝来する古文書などの諸資料を公開してきました。桃山時代から現在に至る、様々な美術工芸品は出雲の生活文化の歴史を伝える貴重な資料です。
しかし現在、手錢美術館はこのような美術工芸品・資料を未来に残すための運営費確保に苦慮しております。開館以来、入場料収入および積立金による補填等で運営を続けてまいりましたが、発生する運営資金を今後も維持・捻出していくのが困難な状況です。
そこでこの度、運営費を募るためクラウドファンディングへの挑戦を決意いたしました。これを契機に、出雲に存在していた江戸時代の美術工芸や文化についてより広く知っていただき、多くの方に訪れていただける機会になれば幸いです。
ご支援・ご寄附のほど、よろしくお願いいたします。
手錢美術館 紹介映像
手錢美術館について
公益財団法人手錢記念館は、1993年4月に出雲地方の美術工芸品を公開する施設として「手錢記念館」を開館しました。その後、2022年4月に「手錢美術館」と改称し、現在に至っています。
開館当初より、手錢家から寄贈された500点を超える美術工芸品および手錢家に伝来する諸資料約3500点を公開してきました。
展示室は、江戸時代に建てられた米蔵と酒蔵を改装したもので、歴史ある建築空間の中で展示をお楽しみいただけます。
第一展示室では、江戸時代の作品を中心とした企画展示を開催。 造り酒屋を営み御用宿も務めた手錢家に伝わる掛軸・屏風・刀剣・茶道具・古文書など、多様な分野を通して日本の美術、工芸、文化を紹介しています。 また、手錢家に伝来する資料の調査成果をもとに、地域の生活文化に焦点を当てた企画展も行っています。
第二展示室は、1860年に酒蔵として建てられ、1903年まで小学校の仮校舎としても利用されていた建物です。ここでは、松平不昧公ゆかりの陶器である楽山焼・布志名焼や、歴代小島漆壺齋による漆器など、出雲地方の美術と伝統工芸を常時数百点展示しています。
また、美術館には当主が記した「萬日記」や「御用留」など、当時の生活や風習を知るうえで貴重な古文書が数多く収蔵されています。
「萬日記」には、手錢家が御用宿として藩の重職を迎えた際の献立、室内の設え、会話の内容まで詳細に記録されており、近年ではその献立を再現する試みも行われています。
そのほか、古典籍や詠草など文芸資料も豊富に所蔵しており、出雲市大社町杵築地区の人々が日常の中でどのように文化や文芸を楽しんでいたかを伝える貴重な史料群として、2006年より島根大学および国文学研究資料館と共同で調査・資料のデジタルアーカイブ化を続けています。
手錢家と出雲―江戸初期からの歴史
手錢家の初代、喜右衛門は、貞享3年(1686)に出雲市白枝町から大社(現在の出雲市大社町)に移り住み、雑穀商で身を立てました。
1700年代前半には酒造業を営むようになり、明治維新まで酒造業を主に、代によっては薬種、材木、木綿など複数の商売も営んでいました。また、藩の御用商として厩で用いる葭を栽培・納入していたことが分かっています。

大社では、元禄十五年(1702)の大洪水以降、周辺の川筋が変わった事により洪水が増え、耕地も荒廃しました。この状況を改善するため、藩から海岸沿いに防砂林として松の植林を命じられた手錢茂助(二代)は、約十年をかけ、私財を投じて植林をおこないました。
遅くとも三代・白三郎(季硯)以降、手錢家当主は代々、杵築六ヶ村をまとめる大年寄を務め、当時本来は武士の特権であった名字帯刀を許されていました。
また、手錢家は出雲大社の勘定方などの役割をつとめており、代々千家家近習格の扱いを受けていました。千家・北島両国造家、社家の家々とは公私ともに付き合いがあり、本業においては、出雲大社から渡された特別な米で作られた御神酒を醸造し納めていました。
<歴代当主>
初代 喜右衛門 長光 (1662-1749)
二代 茂助 長定 (1689-1740)
三代 白三郎 季硯 (1712-1791)
四代 此三郎 敬慶 (1732-1796)
五代 官三郎 有秀 (1771-1820)
六代 白三郎 有芳 (1789-1843)
七代 白三郎 有鞆 (1810-1867)
八代 白三郎 安秀 (1838-1907)
九代 白三郎 秀畝 (1872-1932)
十代 白三郎 幸昌 (1903-2007)
十一代 白三郎 長光(1942–)
クラウドファンディングに挑戦する理由
1993年に設立以来、文化庁等の助成金への申請や他機関との連携などを模索しながら、入場料収入を軸に、積立金で補填をしながら、展示やワークショップなどのプログラムの運営をして参りました。しかし、昨今の入館者数減、物価高や経済状況の低迷などの影響で、運営が難しくなっております。

ワークショップ

ワークショップ

ワークショップ

ワークショップ
クラウドファンディングという方法で、美術館の取り組みについてより多くの方に知っていただくとともに、出雲の美術工芸が常設で見られる美術館を残していくためのご支援をいただければと思っております。
プロジェクト概要
ご支援いただいた内容は美術館の維持・運営費にあてさせていただきます。
また、ご支援が目標金額以上に集まった場合は、刀剣のメンテナンス、屏風や掛け軸等の修繕費、収蔵品情報のデジタル化、古文書を長期保存するための資材の購入、展示室である蔵の修繕など、収蔵品を後世に残すための取り組みに使わせていただきたいと考えております。

手錢美術館 庭園

銘正宗

刀剣展
< 目標金額 >300万円
< 資金使途 >運営費(人件費含む)、光熱費、庭園管理費、その他広報費(クラウドファンディング手数料含む)
今後の展望について
出雲の美術工芸品の素晴らしさ、また江戸以降の生活文化を伝える美術館として開館してから30年以上が経ちました。
出雲の歴史風土を知るうえで必要な取り組みを行ってきたと自負しております。手錢美術館としては、今回のクラウドファンディングへのチャレンジを期に、新しい美術館運営のあり方を模索し、地域の皆様、また県外からお越しの皆様にとって欠かせない美術館として認知、ご支援いただけるような活動に取り組んでまいる所存です。
この取り組みを契機により多くの方に美術館へ親しみを持っていただき、訪れていただける機会になれば幸いです。
また、地方に存在していた江戸時代の美術工芸および文芸活動についてもより多くの方にお伝えしていきたいと考えています。
今後の手錢美術館の挑戦にぜひご支援者の皆様のお力添えをいただければ嬉しく存じます。
公益財団法人 手錢記念館
手錢美術館
副館長 手錢孝介

日頃より手錢美術館を応援いただいている皆様、
そして、この度の当館クラウドファンディングにご関心をお寄せいただいた皆様に心より感謝申し上げます。
当館は、手錢家が代々蒐集した美術工芸品を大切に保存し、公開する事で日本の文化財、とりわけ出雲地方の文化財について知ることのできる場を提供していくことを使命としてまいりました。
そして、その使命を持続的に果たしていくためには、今後も美術工芸品の保存管理、古文書等の諸資料の調査研究、建物および庭園を維持していかなければなりません。
しかし、昨今の社会的状況の変化にともない、これまでのような入館料収入を主な財源とする運営では、今後も文化財を維持・管理していくことが困難な状況です。
そこで、今回初めてクラウドファンディングに挑戦することを決意致しました。
この挑戦によって、この先の美術館運営を安定的なものにし、出雲地方の文化財をこの出雲の地で守り未来につなげていきたいと強く願っております。
そして、同じように日本の文化財を必死に守って行こうとしていらっしゃる他の施設様とともに、文化財の持続的な継承に挑戦してきたいと存じます。
是非皆様のあたたかいご支援を、心よりお願い申し上げます。

Sophie Richard (art historian, author)
ソフィー・リチャード(美術史家、著述家)
The Tezen Museum in Izumo is a cultural treasure that remains little-known and greatly deserves our support. Established in 1993 to preserve the heirlooms of the Tezen family, this remarkable museum presents a rich collection of beautiful and historically significant works that illuminate local traditions and craftsmanship. Housed in two exquisitely preserved kura that now serve as refined gallery spaces, the museum safeguards roughly 500 pieces, most dating from the Edo period.
From the striking architecture to the thoughtful curation, every visit to the Tezen Museum offers discovery and delight. Particularly captivating are the folding screens, vivid reminders of the days when the Tezen family welcomed daimyo and samurai as honored guests. These works not only speak to the family’s role in regional history but also to the cultural vibrancy of the era.
In the second and largest kura, visitors encounter an impressive rotating display of more than 200 items—ceramics, lacquerware, and daily utensils—reflecting both the diversity of regional arts and the lifestyle of an Edo-period merchant household. The artistry of key local families is especially well represented: the Nagaoka (Rakuzan ware), Funaki (Fujina ware), and the Shikkosai and Nurudean lineages of lacquer masters.
By keeping these rare pieces intact and accessible, the Tezen Museum preserves an irreplaceable part of Japan’s cultural heritage. With community support, the museum can continue its mission to protect, share, and celebrate this history for generations to come.
出雲にある手錢美術館は、広く知られていないものの、まさに支援に値する非常に貴重な文化資源です。1993年に手錢家に代々受け継がれてきた美術工芸品を守り伝えるために設立されたこの美術館には、地域の伝統と卓越した手仕事の魅力を照らし出す、美しく歴史的に重要な作品が数多く収蔵されています。現在は二棟の蔵を改修した上質な展示空間に約500点の作品が収められており、その多くは江戸時代に遡るものです。
建物の趣から丁寧な展示に至るまで、手錢美術館を訪れるたびに新たな発見と喜びがあります。特に心を奪われるのが屏風のコレクションで、かつて手錢家が大名や武士を客人として迎えた往時を鮮やかに想起させてくれます。これらの作品は、手錢家が地域史に果たした役割だけでなく、当時の文化の息づかいと豊かな活力をも物語っています。
二棟目で最大の蔵では、200点を超える陶磁器、漆工、日用品などが入れ替えで展示され、地域の多様な美術工芸と江戸期の商家の暮らしを感じることができます。特に、楽山焼、布志名焼、さらに小島漆壺斎や勝軍木庵といった地元を代表する工芸諸家の卓越した技が、きわめて見事に示されています。
これら貴重な作品を後世に残し、公開し続けることは、日本の文化遺産のかけがえのない一部を守ることにつながります。関わる皆さまからのご支援により、手錢美術館は今後も歴史を守り、伝え、未来へとつないでいく使命を果たし続けることができるでしょう。

楽山焼12代 長岡住右衛門空郷
まるで講堂のような広く静かな第二展示室は、酒蔵として使われた歴史があるそうです。江戸時代の美術品の観賞をこの不思議な空間の中で経験するのが好きです。出雲大社に近接する手錢美術館は江戸時代の山陰の工芸の歴史を語る重要な証人です。
後世に残すべき美術館として私も応援しています。

安田登 (下掛宝生流能楽師)
「守るだけではない。手錢美術館が生む“文化の現在”を応援します」
日本の「文化」を歴史の授業で学んだとき、大きな違和感を覚えました。
奈良・平安時代の文化といえば王朝貴族の文化、鎌倉時代以降は武士の文化―支配者の文化だけが「日本の文化」として教わります。江戸時代になってようやく町人文化が登場したと思えば、それも江戸・大阪・京都といった大都市の文化。しかも、それらは政治・経済を担う中心地の文化です。
「日本の文化はそれだけじゃないぞ」と、ずっと思ってきました。
ところが、ここ手錢美術館さんに伺うようになり、蔵されている文物の素晴らしさに触れて、「こここそ、本当の日本文化の担い手であり、継承者だ」と感じました。部外者の私が言うのも僭越ですが、手錢美術館さんには書画はもちろん、茶道具、謡本など、さまざまなお宝が大切に収蔵されています。
しかも、それらを惜しげもなく公開し、楽しみ、学びを深めるためのワークショップまで行っておられます。
あるとき、そのワークショップのひとつとして、知人の狂言師を連れて伺ったことがありました。すると床の間に掛けられていたのは、狂言の秘曲『釣狐』が描かれた対の掛け物。なんという粋なおもてなしでしょう。
こうした心遣いこそが、日本の文化です。
さらに、ここはただ「古いもの」を守るだけの場ではありません。
現代美術の展覧会やインスタレーションを開催したり、さまざまな音楽や芸能の催しも行われています。私も、作家・ラッパーとして活動するマルチクリエイターのいとうせいこうさんらとイベントをさせていただいたことがありますし、これからもご一緒できたらと願っています。
このような貴重な場を未来へつないでいくためにも、みなさま、ぜひクラウドファンディングにご協力いただければ幸いです。
支援時のご注意事項/税制優遇について
寄附をされた方には、寄附金受領後、公益財団法人手錢記念館(手錢美術館)より、確定申告に必要な「寄附金受入証明書」を発行いたします。
名義:ご寄附時にご入力いただいた「寄附者情報」の氏名を宛名として作成いたします。
発送先:ご寄附時にご入力いただいた「寄附者情報」のご住所宛に、2026年5月末までにお送りいたします。
寄附の受領日:READYFORから実行者への入金日である2026年5月8日を予定しております。
なお、寄附金控除等の税法上の手続きには「寄附金受入証明書」が必要となります。
詳しくは、下記【税制上の優遇措置について】をご覧ください
【税制上の優遇措置について】
手錢美術館への寄附は、以下の税制優遇を受けることができます。
(1)寄附者が個人の場合(所得税)
当法人への寄附は、所得控除の対象となります。
2000円以上の寄附をされた方は、寄附金受領証明書を添えて確定申告を行うことで所得税に関する優遇措置として所得控除のみ受けることができます。
寄附金控除額=(寄附金合計-2,000円)[総所得金額の40%が上限]
この控除額が課税所得から差し引かれ、結果として所得税が軽減されます。
※所得税率は課税所得により異なります。
(2)寄附者が法人の場合(法人税)
「寄附金特別損金算入限度額」の枠が適用され、当該限度額の範囲で損金算入ができます。
計算方法や損金算入限度額については、税務署または顧問税理士にご確認ください。
<留意事項>
※ご寄附確定後の返金およびキャンセルは、ご対応致しかねますので、何卒ご了承ください。
※寄附完了時に「応援コメント」としてお寄せいただいたメッセージは、本プロジェクトの活動報告やSNS等で使用させていただく場合があります。
※本プロジェクトのギフトのうち、【お名前掲載】に関する条件の詳細については、こちらのページの「命名権、メッセージの掲載、その他これに類するギフト」をご確認ください。(「支援」を「寄附」、「リターン」を「ギフト」と読み替えてご覧ください。)
※その他のご寄附方法に関するご質問は、READYFORのヘルプページをご覧ください。
※目標金額に届かなかった場合、集まった寄附金は全額返金されます。

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