全国高校サッカー選手権 決勝   神村学園 3―0 鹿島学園 ( 2026年1月12日    MUFG国立 )

<高校サッカー 神村学園・鹿島学園>優勝を喜ぶ神村学園イレブン(撮影・西海健太郎)
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 神村学園(鹿児島)が鹿島学園(茨城)を3―0(前半2―0)で破り、創部24年目、12回目の出場で悲願の選手権初優勝を飾るとともに、全国高校総体(インターハイ)との“夏冬2冠”を達成した。

 前半19分、自陣からのロングボールに抜け出したFW徳村楓大(3年)がシュート。GKがセーブしたはね返りをFW日高元(3年)が左足ダイレクトで叩き込んで先制した。同30分の徳村のPKは止められたが、39分にはボックス手前正面でこぼれ球を収めたMF堀ノ口瑛太(3年)が冷静に右足でゴール右上へ放り込み、2―0で前半を折り返した。後半10分に相手FKからのヘディングシュートをGK寺田健太郎(3年)がスーパーセーブし、アディショナルタイムには途中出場のMF佐々木悠太(3年)がダメ押し点を挙げて歓喜の終了ホイッスル。今大会7得点の日高は単独得点王に輝いた。

 「うまさ」と「強さ」の融合が結実した。02年の創部当初。鹿児島実に代表されるように縦に速いサッカーが県内の主流だったが、前監督の竹元真樹総監督と当時中等部を指導していた有村圭一郎監督は、技術を重んじて強化に乗り出した。「僕らはボールを後ろから丁寧につないで、相手をしっかり崩していく。そんな鹿児島にはないスタイルで勝負したかった」(有村監督)。橘田健人(川崎F)らJリーガーを輩出し、中等部から6年計画で選手を育て上げるサイクルも順調だった。

 ただ、全国に出てもトーナメントの上の方まで勝ち進むことができなかった。14年から高校を率いた有村監督は「勝っていくためにはフィジカル的な要素を大事にしていかないといけない」と痛感。フィジカル改革が始まったのは19年だ。有村監督の小中高の1学年先輩で、Jクラブで指導経験のあった東輝明氏がフィジカルコーチに就任。走力強化に乗り出し、多い時は40メートルダッシュ100本に取り組んだ。

 試合中の走行距離は年々増え、22年度大会はFW福田獅王(カールスルーエ)らを擁して4強入り。週2回の筋トレで体つきも見違えるように変わった。タフになった技巧派軍団は昨夏、7日間で5試合戦う全国高校総体を初めて制した。総体決勝翌日も朝から走り込み、練習試合をこなした。

 DF中野主将はJ2いわき、MF福島は福岡、FW徳村は町田に加入予定。FW日高にはJ2大宮から正式オファーが届いており、攻守にタレントぞろいのチームが冬も頂点に立った。夏冬連覇は21年度の青森山田に続く史上6校目(8度目)。鹿児島県勢の優勝は第74回大会(1995年度)、第83回大会(2004年度)の鹿児島実以来、21大会ぶり3度目だ。鹿児島実OBで95年度優勝メンバーの有村監督は、指揮官としても栄冠を手にした。

 ▼有村監督 たいした監督でもないのに子供たちが今年は2回も優勝させてくれた。素晴らしい子供たちと思っています。恩師である松沢先生来てるかなと思い、空を見させてもらいました。

 ▼日高 みんなが走ってつないでくれたボールを自分が最後冷静に決めきれてよかったです。得点王は素直にうれしいです。国立という最高の舞台で準決勝、決勝でゴールを決められたことは自分にとっても財産になると思いますし、これから先も頑張っていきます。

 ▼中野主将 最高です。鹿児島県の皆さん、鹿児島県が夏冬2冠を取ったので、さらにサッカーを盛り上げましょう!

 ▽神村学園 1956年(昭31)創立で全日制・通信制併設の私立校。97年に女子校から共学化。モットーは「やかぜ(やればできる!かならずできる!ぜったいできる!)」。サッカー部は02年創部。男女の硬式野球部、女子駅伝部なども強豪。

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