はらぺこライターの旅人間です。今回は冬の味覚・越前がにを求めて、福井県坂井市までやって来た。「坂井市? どこ?」と思う人もいるかもしれないが、「東尋坊」と聞けば、あぁ、あそこかと思い出すはずだ。そう、日本屈指の観光名所を擁するまち。そして冬。この時期、この土地では、“最高のカニ”が食べられる。
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”越前がに”を求めて、東尋坊(とうじんぼう)へ
ところで、”越前がに”について知っているだろうか?
越前がにとは、福井県の港に水揚げされるズワイガニのうち、黄色いタグが付いたものだけに与えられるブランド名だ。雌はセイコガニとも呼ばれる。福井のズワイガニ漁は日本最古とされ、大正時代から皇室献上が続く、全国でも唯一の歴史を持つ。漁の解禁は毎年11月6日で、翌年3月20日まで楽しむことができる。

そこで、「やまに水産」代表取締役の山野さんに話を聞くことができた。日本各地に美味しいカニは数あれど、坂井市のカニは何が違うのか。
三国沖は岸からすぐに水深が深くなり、プランクトンが豊富。その環境が良質なカニを育てるそうだ。そして漁は基本的に日帰り。船は夕方には港へ戻り、その日のうちにセリにかけられる。鮮度が抜群なのが絶対的な理由の一つだという。

また、地元の人たちが口をそろえて言うのが、「カニは1月が一番うまい」という言葉だ。その理由についても尋ねてみた。
”越前がに”は1月がうまいってホント?
山野さんは、それぞれの時期に良さはあると前置きしたうえで、海水温が下がる1月になると、身が引き締まってくると教えてくれた。
カニはおよそ10年の間に7〜8回の脱皮を繰り返して成長し、福井では脱皮直後の若いズワイガニを“水がに”や“ズボガニ”と呼び、いわゆる赤ちゃんの状態だそう。その柔らかく甘い味わいを好む人もいるが、1月から2月にかけては身がしっかりと詰まり、味噌の入りも十分になってくるという。
値段も1月がお得に!?
また、価格の面でも1月から2月は狙い目だという。この時期は相場が落ち着くため、比較的手が届きやすくなる。
11月は解禁直後ということもあり、多くの観光客が越前がにを目当てに訪れる。12月になると今度は海が荒れやすく、漁に出られない日が増えるうえ、お歳暮や正月需要も重なって価格が上がりやすい。
その点、1月から2月は漁も安定し、身入りや味噌の状態も良い。価格と味、その両方を考えると、この時期がいちばんおすすめなんだとか。

そんな話を聞いたら、やはり食べて帰らないわけにはいかない。私が訪れたのは12月。店内で食べるなら何がおすすめかと尋ねてみた。
返ってきた答えは即答だった。「子持ちせいこ丼」だという。
セイコガニは漁期が短く、獲れるのは12月まで。それでも、同店では仕込みや保存の工夫によって、1月末ごろまでは味わうことができるそうだ。

お値段は3,800円。正直、ちょっとした贅沢だ。財布の中身としばし相談する。
ただ、今回はカニを目的に坂井市までやって来た。しかも社長さんが、迷いなく「おすすめ」と言う。そこまで言われて、食べずに帰る理由はない。

セイコガニが2匹も入っている。しかも内子も外子もたっぷりだ。テーブルに運ばれてきた瞬間、思わずテンションが上がる。これは確かにすごい。

ブランドの証の黄色いタグ

カニ身もしっかりと盛られている。

いくらが彩りを添え、ひと目で分かるほど贅沢感が増した。

粒の細かい外子が、これでもかと盛られ、

それに負けないくらい、カニ味噌と内子もしっかり詰まっている。

それが2匹分。繰り返すが、2匹というのは、やはりすごい。

この「子持ちせいこ丼」は1月末ごろまで食べられるというが、早めに終了し売り切れ御免となる可能性もある。同店はほかのメニューも豊富で食事に困ることはないとはいえ、これは見逃したくない一品だ。
この冬、どこか美味しいものを食べに行きたいと思っているなら、選択肢のひとつに加えておいて損はない。
「越前がにを食べるなら1月がおすすめ」。覚えておきたい、ひとつの目安である。
<最後に…>
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