
船舶マリネラ号(旧名ベラ1号)の画像。7日公開の提供写真。X/Handout via REUTERS
[ワシントン/ロンドン/モスクワ 7日 ロイター] – 米国は7日、大西洋上でロシア船籍の石油タンカーを拿捕(だほ)した。米当局者は、ベネズエラ原油輸出に対する「封鎖」措置の一環としている。拿捕にあたり、英国が米国に支援を提供。米軍によるロシア船籍の船舶拿捕は近年としては初のケースとみられ、ロシアは海洋法違反にあたると非難している。
米軍が拿捕したタンカー「マリネラ号」は以前は「ベラ1号」と呼ばれており、昨年12月に米沿岸警備隊がベネズエラ近海の国際水域で追跡していた。米国は昨年、2隻の石油タンカーを拿捕。これに続き、マリネラに改名されたタンカーはアイスランド近くの大西洋で拿捕された。拿捕された際、ロシア潜水艦がマリネラを護衛していたという。
米軍欧州司令部はXへの投稿で、同タンカーが米国の制裁に違反したとして拿捕したと述べた。ヘグセス米国防長官は「制裁対象および違法なベネズエラ産石油の封鎖は、世界のどこにおいても完全に実施される」と同投稿に返信した。
米政府関係筋によると、今回の作戦は米沿岸警備隊と米軍が実施。周辺海域にはロシア軍の艦艇のほか、ロシアの潜水艦もあったが、米国の船舶とどの程度接近していたかは不明で、米軍とロシア軍との間で衝突があった兆候はないとしている。
<ロシア、海洋法違反と非難>
ロシア運輸省によると、アイスランド近くの海域で米海軍がマリネラに乗り込み、その後、マリネラとの連絡が途絶えた。運輸省は声明で、1982年の国連海洋法条約に基づき、公海では航行の自由が規定され、いかなる国も正当に登録された船舶に対して武力を行使する権利はないと主張した。
ロシア国営タス通信によると、ロシア外務省は乗組員の人道的な扱いと迅速な帰国を求めている。
<英軍が支援>
英国防省は、今回のタンカー拿捕に英国が支援を提供したと表明。米国の要請を受け、英軍艦艇が米軍の追跡を支援したほか、英空軍が航空監視を担当するなど、事前に計画された支援を提供した。今回の支援は「国際法を完全に順守して実施された」としている。
英国のヒーリー国防相は、今回の作戦はロシアやイランの制裁回避との関連が疑われる船舶を標的にしたものだったと説明。「制裁違反を取り締まる世界的な取り組みの一環だった」と述べた。
その上で、米国は英国にとって最も重要な防衛、安全保障面でのパートナーとの認識を示し、「米国との防衛関係は英国の安全保障に不可欠で、今回の円滑な作戦遂行はその実効性を示すものだ」と語った。
英政府によると、マリネラは対イラン制裁に関連して米国の制裁対象になっている。
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