(CNN) 英国とフランスは、ウクライナとロシアの間で和平合意が成立した場合、ウクライナに部隊を派遣することで合意した。英国のスターマー首相が明らかにした。西側諸国の指導者は、戦後のウクライナの安全を保証し、ロシアによるさらなる侵略を抑止するための取り組みを進めている。
ウクライナを支援する「有志連合」の会合が6日、フランスの首都パリで開催され、35カ国の当局者が参加した。会合後、スターマー首相とフランスのマクロン大統領は、停戦後のウクライナへの部隊派遣に関する文書に署名した。こうした動きにはロシアは長年、強く反対してきた。
スターマー首相は、欧州各国の指導者に加え、米国のウィトコフ中東担当特使やトランプ大統領の娘婿であるクシュナー氏も同席した共同記者会見で、「停戦後、英国とフランスはウクライナ各地に軍事支援拠点を設け、ウクライナの防衛ニーズに対応するため、武器と軍事装備を保護する施設を建設する」と述べた。
今回の会合は昨春に有志連合が発足して以来、最大規模となった。ただ、米国がベネズエラの権威主義的指導者のマドゥロ大統領を失脚させたことや、トランプ氏がデンマーク自治領グリーンランドの併合に意欲を示していることから、存在が薄れる懸念もあった。
会合前には、同じ北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるデンマークの領土を占領すると脅している米国が、ウクライナの安全を保証できるのかとの疑問も専門家から出ていた。
それでも、米政府が西半球重視へと大きくかじを切る中で、ウィトコフ特使は、トランプ政権がウクライナに平和をもたらすため「可能な限りのことをする」決意に変わりはないと強調し、パリでは「大きな進展」があったと述べた。
会合の合間にCNNの取材に応じたNATOのルッテ事務総長は今回の会合について「非常に成功した」との見方を示した。「この計画が実行に移されれば、ロシアのプーチン大統領は絶対に二度とウクライナを攻撃しようとはしないと確信している」

有志連合の会合に出席するマクロン大統領とゼレンスキー大統領/Yoan Valat/Pool/AFP/Getty Images
ロシア政府から即座の反応はなかった。ロシアは平和維持の一環として外国部隊がウクライナで活動することには同意しないと繰り返し強調してきた。プーチン大統領は昨年9月、西側の部隊がウクライナに入れば「正当な攻撃目標」になると述べている。
有志連合の共同声明によると、和平合意が成立した場合、安全の保証には、米国が主導し、他国が支援する「継続的で信頼性のある停戦監視体制」が含まれる。
有志連合は、ウクライナに対し、長期的な軍事支援と兵器を提供するとともに、陸海空で、ウクライナの安全を保証するための多国籍部隊を派遣することでも合意した。
英国とフランスはこれまでも、停戦後に部隊を派遣する用意があると表明してきたが、スターマー首相は、今回の合意によって、両国の部隊がウクライナで活動するための法的枠組みが定められたと説明した。

有志連合による会合には35カ国が参加した/Ludovic Marin/Pool/AFP/Getty Images
マクロン大統領は、ウクライナが80万人規模の兵力を維持できるよう、「必要なすべての資源」を供給することでも合意したと述べた。昨年11月に浮上し、ロシア寄りだと批判が出た当初の和平案では、ウクライナ軍を60万人に制限する内容が盛り込まれていた。ウクライナはこの28項目の計画を拒否し、その後、米当局者との複数回の会合を通じて修正案をまとめてきた。
今回の会合は、和平合意が成立した場合に支援国がどのようにウクライナの安全を保証するのかについて、これまでで最も明確な姿を示したものだ。だが、その和平合意自体はいまだ実現していない。
昨年12月には米国とウクライナの間で集中的な外交努力が行われたが、プーチン大統領がトランプ大統領に対し、ウクライナが自身の公邸のひとつにドローン攻撃を仕掛けたと伝えたことで、迅速な和平合意成立への期待は打ち砕かれた。トランプ大統領はこの主張を聞いて「非常に怒っている」と語ったが、米中央情報局(CIA)は後に事実ではないと評価している。

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