日本人の防寒着には歴史があります。平安時代から続く「重ね着による防寒」、戦後の化学繊維や合成素材の普及、2000年代にはユニクロの「ヒートテック」によって肌着の概念が一変しました。そして、昨年は「リカバリーウェア」が流行語大賞の候補となり、パジャマのあり方まで変わりました。

その流れで今年は本格的な流行の気配を感じるのが“着る暖房”や“着るコタツ”とも呼ばれる電熱服(加熱式衣料)。まだ呼び名が定まっていないので、ここではファッション的な視点から“ヒーターウェア”と名付け、その流行の兆しと理由を考えます。

ココがポイント

ワークマンが世界初のヒータージャケット 服が熱で体を温める出典:日経クロストレンド 2021/9/28(火)

ワークマンの「着るコタツ」が好調だ。(中略)シリーズ累計の販売数は60万点を突破出典:ITmedia ビジネスオンライン 2025/12/13(土)

2023年の市場規模:0.33億米ドル 2024年の市場規模:0.35億米ドル 2032予測市場規模:71億米ドル出典:Fortune Business Insights 2025/12/15(月)

「エアコンの​2027年問題」​買えない、​直せない​未来も​ 今年の​影響は?出典:Yahoo!ニュース オリジナル 2026/1/3(土)

エキスパートの補足・見解

ユニクロの「ヒートテック」が「重ね着からの解放」、リカバリーウェアが「睡眠の質向上」といった明快な価値を提示したように、ヒーターウェアも「着る暖房」としての新しい価値を打ち出しています。注目する理由はこれらに共通する“快適性”だけではなく、社会的・経済的な要因が影響していると考えられるからです。

それを後押ししているのは、電気代の高騰、キャンプやデスクワークで実用性に優れた服の定着、エアコンの2027年問題といった、日本社会の変化です。“動かずに寒さをしのげる服”の需要は高まり、“全体を温める暖房”よりも“自分だけを温める衣類”を選ぶ合理性があります。

現在、先行者利益を受けているワークマンが世界初のヒータージャケットをリリースしたのが2021年。2023年時点でのヒーターウェア市場は約47億円とされ、2032年には約1兆円規模に成長するとの予測も出ています。またアパレル系だけでなくCIOのようなテック企業も参入し、この市場の新しさを象徴しています。

以上の理由から、ヒーターウェアは「次の常識」となる可能性を秘めているように感じます。

あなたはヒーターウェア、アリ派?ナシ派?コメント欄でぜひご意見を。

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