CREATIVE MUSEUM TOKYO(東京・京橋)で、「SORAYAMA 光・透明・反射 -TOKYO-」が3月14日から開催されます。

本展では、空山が1978年にウィスキーの広告のために最初に描いたロボット作品や、恐竜、ユニコーンなど幅広くロボット造形を追求した最新のキャンバス作品、デザインを手がけたAIBO(アイボ)の原画や、エアロスミスのアルバムジャケットとして知られる代表作品に加え、最新の彫刻作品、新作の映像インスタレーションも展示。空山基が半世紀にわたり追い求めてきた、光・透明・反射という表現の核を圧倒的なスケールで体感できる極めて貴重な機会です。

空山基 Untitled 1982 アクリル絵具、イラストレーションボード H72.8 x W51.5cm ©Hajime Sorayama. Courtesy of NANZUKA

SORAYAMA 光・透明・反射 -TOKYO-

会場:CREATIVE MUSEUM TOKYO(東京都中央区京橋1-7-1 TODA BUILDING 6階)

会期:2026年3月14日(土)〜5月31日(日)

開館時間:10:00〜18:00
※金・土および祝前日、GW4/28~5/6、および5/31:10:00〜20:00
※最終入場は閉館30分前

休館日:なし

観覧料:一般2,500円、大学生1,800円、高校生1,500円、中学生以下1,000円
※未就学児無料 ※前売り券およびスペシャルチケットあり

アクセス:JR「東京駅」八重洲中央口から徒歩7分/東京メトロ銀座線「京橋駅」6番出口から徒歩3分など

詳細は、『SORAYAMA 光・透明・反射 -TOKYO-』公式サイトまで。

空山基の芸術観とコンセプト

空山基は、常々自身の作品のコンセプトを「光」「透明」「反射」だと語ってきました。それは、空山が絵の具という制限された素材を駆使して、光を描くという挑戦を繰り返してきた軌跡でもあります。

「光を表現するためには空気を描く必要がある」、「空気を描くには透明を表現する必要がある」、「反射表現を如何にして征服するのかが鍵を握る」。これは空山が繰り返しインタビューなどで語ってきた言葉です。

例えば、レオナルド・ダ・ヴィンチがスフマートという空気を描く遠近法を発明したように、印象派の画家たちが光を点描で描こうとしたように、ミケランジェロが衣類の下の身体を暗示で表現したように、視覚的な錯覚を起こす新しい表現を常に空山は探求しています。それは、歴史上誰もなし得なかった表現への挑戦とも呼べるものです。

空山が描く人物や動物、恐竜などのロボット作品は、生物の身体性を超えた未来という仮想の物語を提示します。私たちは空山の作品を通して、既存の生命体が機械文明と融合した未来の世界の美学を空想します。その作品は、人の知性とはなにか、身体とはなにか、時間とはなにか、といったテーマが相互に絡みあい、自然と私たちの空想力や創造性を刺激します。あるいは、私たちのテクノロジーが、身体の限界を超えて永遠の生を齎す事はあるのか、人工知能が人と共存する未来が訪れることはあるのか、といった問題提起を暗示しているとも読み取ることができます。

空山基 Untitled 2025 アクリル絵具、デジタルプリント、キャンバス H197 x W139.4 × D4cm ©Hajime Sorayama. Courtesy of NANZUKA
展覧会構成

本展では空山の軌跡をセクションに分けて展示。1978年にウィスキーの広告のために空山が最初に描いたロボット作品や、恐竜、ユニコーンなど幅広くロボット造形を追求した最新のキャンバス作品、最新の彫刻作品、さらには映像インスタレーションまで多岐にわたる作品が一堂に会し、鑑賞を体験へと昇華させます。

空山基 Untitled 2023 アクリル絵具、デジタルプリント、キャンバス H197 x W139.4 × D4cm ©Hajime Sorayama. Courtesy of NANZUKA
The Gallery(ギャラリー)

ここでは、空山が近年取り組んでいる大型のキャンバス作品を展示します。空山が自身の作品のコンセプトとして掲げる「光と透明」をめぐる探究の成果であり、空山の表現の進化と新たな挑戦の軌跡を鮮やかに物語っています。

空山基 Untitled 2023 アクリル絵具、デジタルプリント、キャンバス H278.8cm × W394cm(四連画) ©Hajime Sorayama. Courtesy of NANZUKA
Aquarium(アクアリウム)

1980年代より海洋への関心を作品に投影してきた空山は、数多くのロボティック・フィッシュを描いてきました。本展示では、その中でも特に空山が「最もセクシーな魚」と評するサメの彫刻作品を水槽型のインスタレーションとして提示します。周囲の壁面には、この彫刻の原型となった絵画群をはじめとする関連作品が展示され、モチーフの発展過程を示しています。

空山基 Untitled 2022 アクリル絵具、デジタルプリント、キャンバス H197 x W418.2 x D4cm (三連画) ©Hajime Sorayama. Courtesy of NANZUKA
Space Traveler(スペーストラベラー)

空山の代表的な作品モチーフ《Space Traveler》を上下の鏡に映し込み、無限に反射させることで立体的に展開したインスタレーション作品です。原像となった絵画は1980年に描かれ、1982年にはフランスの著名なSF雑誌『Métal Hurlant』の表紙を飾り、国際的な注目を集めました。ここでは平面から立体へと次元を超え、永遠の旅を続ける存在として再生されます。

空山基 Space Traveler 2025 ABS樹脂、合金、ステンレススチール、ミラー、木材、LEDライト H90cm x W32cm x D47cm (本体) ミラーボックスサイズ:可変 ©Hajime Sorayama. Courtesy of NANZUKA
Floating Through Space(フローティングスルースペース)

《Space Traveler》が宇宙空間を漂う姿を映像化した作品です。観客は透明な宇宙船の内部に入り込み、彼の旅に伴走するような没入体験を得ることができます。映像と空間の融合は、空山の創出するヴィジョンを身体的に追体験させる装置として機能します。

空山基 Space Traveler 2025 デジタル映像 2分41秒 ©Hajime Sorayama. Courtesy of NANZUKA
Thesmophoria(テスモフォリア)

本セクションでは、空山が過去10年間に制作した立体作品を展示します。ここでは、「光と反射」を実装した身体美を追求する空山の挑戦が見て取れます。展示空間のデザインもまた、作品がもつ時間や空間を超越する美学を空間構成として体現しています。

空山基 Untitled_Sexy Robot Number 1 2022 アルミニウム、ガラス、ステンレススチール、スチール、LEDライト H241.3 x W133.3 x D75.6cm ©Hajime Sorayama. Courtesy of NANZUKA
TREX(ティーレックス)

空山が自身の子供の頃からアイドルと称する恐竜シリーズから、TREXを映像化。SONYの最新触覚技術「ハプティクス(Haptics)」を駆使し、映像・音響・振動を連動させることで、視覚だけでなく触覚でも感じる新感覚のインスタレーションが実現しました。目の前で恐竜が動き出すかのような臨場感を圧倒的な映像で魅せる体験型のインスタレーションです。

空山基 Untitled 2025 アクリル絵具、デジタルプリント、キャンバス H197 x W280 x D4cm (二連画) ©Hajime Sorayama. Courtesy of NANZUKA
Mirror Maze(ミラーメイズ)

鏡面で覆われたショーケースの中に彫刻を収め、その像を無限に反射させることで、視覚的な迷宮を生み出すインスタレーション。光と反射が織りなす幻視的な効果に対する空山の関心が結晶化した空間であり、鑑賞者は自身の視覚がどこまで信頼できるのかを試される感覚体験を得ることができます。

空山基 Sexy Robot type II floating_gold 2025 UV硬化樹脂、アクリル、銀メッキ、ステンレススチール、スチール、LEDライト H270 x W103 x D108cm ©Hajime Sorayama. Courtesy of NANZUKA
Pink Tea Room(ピンクティールーム)

空山の原画を特集する特別展示室。鮮やかなピンク色に統一された空間は、金属光沢や反射と対照をなす色彩が作品群に新たな視覚的魅力をもたらします。1978年にサントリーウィスキーの広告のために描かれた最初のロボット作品、アメリカのロックバンド・エアロスミスのアルバムジャケットに使用された作品、世界的に親しまれているキャラクターIPとのコラボレーション作品、そして「AIBO」の原画など、空山芸術の歩みを辿る上で欠かせない貴重な作品が一堂に会します。

空山基 Untitled 1978 アクリル絵具、イラストレーションボード H51.5 x W72.8cm ©Hajime Sorayama. Courtesy of NANZUKA
空山基 Untitled 1982 アクリル絵具、イラストレーションボード H36.4 x W51.5cm ©Hajime Sorayama. Courtesy of NANZUKA
空山基 Untitled 1999 アクリル絵具、イラストレーションボード H51.5 x W36.4cm ©Hajime Sorayama. Courtesy of NANZUKA
Archive Room(アーカイブルーム)

ここでは、空山が手がけてきた数々の国際的コラボレーションがアーカイブとして収められています。ソニーの「AIBO」(1999年)、2018年のディオールのメンズコレクション、2020年のロジェ・デュブイ、2023年のステラ・マッカトニー、2021年から続くザ・ウィークエンドとのコラボレーションなど、世界の著名ブランドやミュージシャンと展開した仕事の成果が並びます。アートとデザイン、商業領域を自在に横断する空山の活動の広がりを実感できます。

空山基プロフィール

1947年愛媛県生まれ。中央美術学園卒業。1999年にソニーのエンターテインメントロボット「AIBO」のコンセプトデザインを手がけ、2001年には世界的ロックバンド、エアロスミスのアルバム『Just Push Play』のジャケットを担当。2018年にはキム・ジョーンズとディオールのメンズコレクションでコラボレーションを行い、2023年にはミュージシャンのザ・ウィークエンドや、2024年、2025年とF1ドライバーのルイス・ハミルトンとの共同プロジェクトも話題を呼びました。空山の作品は、ニューヨーク近代美術館や香港M+のパーマネントコレクションに収蔵されている他、「Unorthodox」(The Jewish Museum, New York, 2015)、「Desire」(by Larry Gagosian and Jeffrey Deitch, Moore building, Miami, 2016)、「The Universe and Art」(森美術館, 東京, 2016、Art Science Museum, Singapore, 2017)、「Cool Japan」(Tropenmuseum, Amsterdam, 2018)、「Post Human」(Jeffery Deitch, LA, 2024)といった展覧会で広く世界中で発表されています。

本展は、空山基にとって過去最大規模の回顧展。上海で大きな話題を呼んだ展覧会が、いよいよ満を持して東京へと上陸します。会場には、光沢を帯びたメタリックな肌や、宇宙や深海を思わせるスケール感あふれる空間演出など、空山基が半世紀にわたって追い求めてきたイメージが数多く紹介されます。「光・透明・反射」というテーマでまとめられた空山の仕事を、存分に楽しめるまたとない機会としてこの春要注目の展覧会です。(美術展ナビ)

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