ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.12.18 14:28

◆大韓民国最後のトリガーは「改憲」…新共同体契約書を作ろう

中央日報が創刊60周年を迎えて、大韓民国の歴史の60件の決定的転機(critical trigger)を読者と共に振り返ってきた。初回の韓国民主化を成し遂げた「87年ネクタイ部隊」をはじめ、政治・経済・社会・文化全分野の時代の転換や変化の分岐点となった事件の脈絡、韓国社会に及ぼした影響、未来への教訓などを省察した。このすべての大韓民国の成就と教訓に基づき、新たな未来60年の大韓民国、そして大切な我々の後代をより繁栄させて幸福にする最初の課題「憲法改正」を最後の60回目のトリガーに選択した。開発途上国から中進国に入った38年前の我々の「87年憲法」は「大統領直選制の成就」という民主化初期の任務を達成した。しかし先進国入りを迎えている国と国民の羅針盤はすでに寿命を終えて久しい。今後60年の未来のビジョンを明確に提示する新しい「共同体の契約書」、まさに改憲こそが今、最も切実な大韓民国の飛躍のトリガーとなるべきだろう。

◆大韓民国「トリガー60」 <60>憲法と時代精神

おそらく「全文、本文130条、付則6条」、約1万4400字の我々の憲法をすべて読んだ国民はほとんどいないはずだ。「大韓民国は民主共和国であり、すべての権力は国民から生じる」という第1条ほどが我々が思い出す憲法だ。空気のように我々の意識の外に存在し、弾劾やろうそくデモのような国の大混乱を迎えると「のっぽおじさん」のように審判を下す姿を見せてきた。

ところでなぜいま改憲が必要なのか。すべての制度は生まれる時から改革の対象だ。我々の憲法の1987年の改正過程を振り返ってみると、改憲の必要性が見える。当時、韓国の1人あたりのGDPは3658ドル、世界平均を初めて上回る水準だった。輸出は471億ドル、世界13位圏だった。38年後の現在、1人あたりのGDPは推算3万5962ドル(世界37位圏)と10倍を超えた。輸出額は15倍増の7000億ドルで世界5位圏だ。桑田碧海だが、経済に関する我々の憲法条項は130条のうち9条にすぎない。不変の原則であるべき「市場経済」も「個人と企業の経済上の自由と創意を尊重する」という一言だけだ。残りも抽象的な宣言にすぎない。論争を呼ぶビッグイシューである寡占、不公正取引を調整する「経済民主化」条項もわずか一行だ。「経済主体間の調和を通した経済民主化のために経済に関する規制と調整ができる」。この一行で今の複雑多岐な取引の公正性を保障できるだろうか。38歳の成人が依然として小学生の服に体を合わせなければいけない状況だ。

◆地方自治30年、憲法規定はわずか2件

政治的には大きくなった体がより一層窮屈だ。「体育館選挙」の代わりに「私の手で大統領を」という当時の熱望は逆に他のすべての未来への熟議を飛び越えた。与野党「8人会談」の最初の会議から2カ月余り過ぎた87年10月12日、現在の憲法が国会本会議を通過した。当時の話がこうだった。「大きな困難はなかった。骨子となる大統領直選制にすでに合意があったので。金泳三(キム・ヨンサム)氏、金大中(キム・デジュン)氏に報告して承認さえ受ければ一瀉千里だった」(李竜熙元議員)。金泳三総裁も「直選制合意で90%が妥結し、大統領選挙日程に支障が生じてはいけないので些細な問題にはこだわる必要はない」と述べた。速戦即決で社会の多様な声が割り込む時空間はなかった。「87年の改憲は一言で盧泰愚、金泳三、金大中の3人が作ったもの」(康元沢ソウル大教授)だ。「私も大統領ができる」という3人の弾みの産物だった。

今の憲法はなぜそのように「些細な問題」を欠いたのか。まず、後代が今まで苦痛を経験した一番の原因である「帝王的大統領」の弊害を全く予測できなかった。順に「帝王」を楽しむ夢を膨ませた金泳三、金大中、盧泰愚(ノ・テウ)の3人にそのような「政治的思慮深さ(prudence)」が入り込む余白はなかった。与野党間、政府と国会の牽制と均衡という水平的責任性、国政安定のような未来が我々の憲法に見られなかった理由だ。

87年の改憲国民投票に参加した最低年齢の67年10月29日以降の出生者は現在、人口の70%を占める。改憲の時とは完全に異なる世代と人口の国だ。70%が署名もしていない共同契約書というものが存在できるだろうか。地方自治30年が経過したが、憲法の地方自治規定は130件のうちわずか2件しかない。「地方自治体が自治規定を制定することができる」「地方自治体に議会を置く」だけだ。ドイツは憲法の44.2%が連邦および地方自治権関連の内容だ。フランスは「フランスの組織は分権化される」とし、国家運営原理として地方分権(decentralisation)を憲法に明示している。しかし国民の82%の4180万人がソウルの外に暮らすこの国の契約書には「地方」がない。

時代のイシューである福祉のための責務はどうか。「国家は社会保障・社会福祉増進に努力する義務を持つ」(35条)という一行だけだ。「努力」という言葉は極めて無責任なほどだ。当時の「些細な問題」、すなわち経済民主化、地方自治、福祉などは今では最も重要な我々の生活の骨幹だ。しかし契約書にその定義さえもないため、政府の権限・責任もあいまいで、こうした重要な問題はいつも政争の泥沼にもがいてきた。

憲法再建築の方向は明確だ。権力の分散で民主主義を成熟させる「民主性」が最初だ。2番目は敵対政治、世代・性別葛藤を緩和する「平和性」だ。半面、国政の成果を最大化する「効率性」は3番目だ。すべての地域、国民に均等な発展、福祉の恩恵が行き届く「普遍性」が4番目だろう。最後にこのすべての変化は未来を正確に予測し、国を順方向にする「未来性」を持たなければならない。

<創刊企画「大韓民国トリガー60」(60)>38歳の成人が小学生の服を着る格好…「憲法的瞬間」が来た(2)

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