米、ベネズエラ石油「封鎖」に当面注力 地上攻撃の可能性後退か

ベネズエラ国旗。2017年4月撮影(2025年 ロイター/Jose Luis Gonzalez)

[ワシントン 24日 ロイター] – 米ホワイトハウスは米軍に対し、少なくとも今後2カ月間はベネズエラの石油の「封鎖(quarantine)」に専念するよう命じたことが分かった。米当局者が24日、ロイターに明らかにした。

トランプ大統領はこれまで繰り返し、ベネズエラの麻薬組織に対する地上攻撃の可能性を示唆しているが、当局者の発言によって、地上攻撃が差し迫っているという見方は後退する可能性がある。

当局者は「軍事的選択肢はなお存在する」としつつも、ホワイトハウスが望む結果に到達するため、「まずは制裁を通じ経済的圧力をかけることに焦点が当てられている」と述べた。

さらに「米国のこれまでの取り組みは、ベネズエラのマドゥロ大統領に多大な圧力をかけており、米国に対して大幅な譲歩をしない限り、ベネズエラは来年1月下旬までに経済的破綻に直面するとみられている」と述べた。

トランプ大統領は今月初め、ベネズエラを出入りする制裁対象の全ての石油タンカーの「封鎖(blockade)」を命じたが、ホワイトハウス当局者が今回代わりに使った「quarantine」は、1962年のキューバ危機でジョン・F・ケネディ政権が事態のエスカレーションを回避しようとした際に海上封鎖の意味で使った言葉を思い起こさせる。

国連の専門家らは24日、米国による封鎖を非難し、このような武力行使は「違法な武力侵略」と見なされると指摘した。

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