ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.12.25 14:48
釜山(プサン)で会った63歳のイさんは、「関係貧困」を経験している1人世帯の住民だ。たまに故郷の友人や兄弟から連絡が来ることはあるが、定期的に交流する人は全くいない。憂うつさや孤独感がたびたび襲ってくるが、「ただ耐えなければならない」とやり過ごす。しかし30分以上話してみると、彼はどこにでもいる60代の男性と大きく変わらなかった。料理を一生懸命していると照れくさそうに笑う姿まで。
イさんのような人たちが特別ではない世の中になった。世界がオンラインでつながる超連結社会だと言われるが、むしろオフラインの孤独は深まっている。世界保健機関(WHO)が孤独を公衆衛生問題として宣言するほどだ。
特に韓国人は、関係貧困という洞窟を深く掘ってしまった。「助けが必要なときに頼れる人がいない」という割合が20%で、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最も高い。自ら命を絶つ人の割合もやはり1位だ。経済的貧困は減ったが、心の貧困は大きくなったという意味だ。
関係貧困の高リスク層としては、「退職→離婚→関係断絶」という公式を踏む40~60代男性、話し相手を見つけにくい一人暮らし高齢者、人工知能(AI)に過度に依存する若者などが挙げられる。彼らは「死ねないから生きている」と言うほどだ。
しかし取材の過程で出会った人たちは、世代や階層を問わず「平凡な」関係貧困も少なくなかった。隣近所の住人とあいさつすら交わさなかったり、避けたりする場合が多い。塾街で会った高校生は、普段は家族が顔を合わせて話すことがほとんどなく、その代わりにカカオトークのグループチャットを使うと言った。関係貧困の取材チームにも「(記事の内容が)他人事ではなく自分のことみたいだ」という反応がいくつも寄せられた。
このまま孤独と孤立がさらに大きくなれば、うつ病などのメンタルヘルス問題へとつながり、社会的な災害になりかねない。韓国政府は自殺と社会的孤立への対応に乗り出してはいるが、スピードは遅いほうだ。自治体も最近になってようやく孤独・孤独死関連の事業に対して重い腰を上げた程度だ。専門家たちは、「結果」である孤独死・自殺の数値にこだわるより、その前段階で関係貧困に置かれている「理由」に関心を向けるべきだと強調する。
関係貧困という洞窟から抜け出すことは、実は小さな関心から始まる。安否を気にかけてくれるhyフレッシュマネージャー(訪問販売員)の訪問を受けた80代の一人暮らし高齢者は、「訪ねてきてくれる人がいるというだけでありがたい」と言った。60代のキムさんは社会的孤立状態だったが、社会福祉館のプログラムに接してから自然に人々と交流するようになった。キムさんは「誰かが関心を持ち、家の外に出るきっかけさえ作ってくれれば、孤立した世帯も変わることができる」と強調する。
世界で初めて孤独担当相を任命した英国は、孤独な人々に薬の代わりに合唱団やガーデニングの集まりといった関係ネットワークを提示する。いわゆる「社会的処方」だ。大げさな対策よりも、人と人をつなぐ日常的な対策のほうが効果的であることを示している。韓国も社会的処方をこれ以上先送りすることはできない。小さな政策、そして関心から始めるときだ。
チョン・ジョンフン/政策社会部記者

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