
ベルギーのブリュッセルにある欧州委員会本部。7月16日撮影(2025年 ロイター/Yves Herman)
[ブリュッセル 23日 ロイター] – 欧州連合(EU)欧州委員会は23日、プラスチック類の輸入により厳格な規制を導入すると発表した。中国などからの安価な輸入品に苦しむ欧州のリサイクル工場を支援する。
業界団体プラスチックス・リサイクラーズ・ヨーロッパによると、欧州のプラリサイクル産業は安価な輸入品の流入やエネルギーコストの高止まりにより、オランダなどで工場閉鎖を余儀なくされている。2025年の工場数はこれまでの年より減少した。
使用済み材料で作られるリサイクルプラスチックでなく、原油などから作られる安価な「バージンプラスチック」がリサイクル品として誤って表示されている問題も浮上。現地のリサイクル業者が価格で競争できなくなっているという。
欧州委は26年上半期にも法改正を実行し、リサイクルプラの輸入に厳格な書類の提出を義務付ける方針。また追跡を容易にするため、リサイクルプラとバージンプラに別々の関税コードを作成することも提案した。
欧州委は「リサイクル業界はエネルギーコスト高やバージンプラ価格の低価格と予測不可能さ(原油価格に連動)、安価なプラ製品(しばしばバージンプラが誤ってリサイクルプラとされている)による競争に直面している」と指摘した。
この他の対策として、欧州以外も含めたリサイクル工場のEUによる監査や、リサイクルプラスチックの出荷が本物かどうかを検証する実験室の支援が含まれる。
欧州委はまた、貿易対策を導入する必要があるかを検討する。26年中にプラの輸入を監視するタスクフォースを設置する方針だ。
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